さて、泣きゲーの世界にエロは不要というのは誰が言った言葉であろうか。実際、泣きゲーであれば無理にエロを噛ませる必要はないのかもしれない。というよりであるが、最近エロゲというジャンルの衰退というのが見られないだろうか。ロープライスなゲームが増えて来たり、ブランドの倒産があったり。しかしエロゲ、というのは確かに一つの黄金時代を築いていたのは確かであり。鍵っ子は葉っ派という言葉を生み出したのも事実なのである。
さて、そんなエロゲというゲームにおいてありがちであることは何であろう? その一つとして、奇抜な設定と言うのがあげられるのではないだろうか。言ってしまえば性行為、エロに最後は直結する世界。その為に、すぐにでも性行為に移れるような設定があったりするのである。
往年の異世界ファンタジーエロゲ―「フェアリーテイルプリンセス」。馬鹿ゲーに分類される、服の一部分がキャストオフされていたりする、いわばヤればヤるだけ強くなる世界。そんな世界に召喚されてしまったアラサー派遣の青年、悟(表紙中央)。しかし彼は童貞であり、故に何の力もなく。一緒に召喚されたヤリサー大学生たちにより追放され、幾多の魔獣うろつく辺境の地を彷徨う事に。
「全然無理じゃないです」
そんな中、目にしたのは仙人である太公望の降臨。一先ずその場を離れれば猫人族の少女、エリス(表紙右)が傷つき倒れているのを発見し。頭の中に響いた神の声、「老師」と言う名のスキルに補助されスキルを使用し彼女を助け。猫人族の里でお世話になる事となる中、襲来してきた魔物を片付けた事でエリスを嫁に貰う事となり。結果として童貞を捨てる事となる。
何故彼はバグのような状態に陥っていたのか。それは十八禁版な世界観において何故か彼だけ、全年齢版が適用されていたと言う、まるで意味が分からないよ、と言わんばかりのバグ。そのバグを乗り越え、猫人族の里の英雄として、いつの間にか代表者の様になっていって。遠方からやってきた鬼人族の少女、アカネ(表紙左)や森の王(ふたなり)、ナターシャといった強者たちと関わる事となり。強さこそが正義と言う彼女達にあっという間に惚れられて。気が付けば、どんどんと嫁が増えていく事となる。
「全然無理じゃないです」
気が付けば流され、受け入れていく。その根底にあるのは男としての正直な欲、リビドー。 その欲のままにどんどんと強くなり。襲い掛かってきたヤリサーの大学生グループの一人をぶっ飛ばしたりしながら。 桃色に溢れたスローライフは続くのである。
エロに正直、どこまでも真っ直ぐ、時に馬鹿らしく。頭を空っぽにして楽しめるこの作品。何も考えずに楽しみたい方は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。