読書感想:箱入りお嬢様と庶民な俺のやりたい100のこと その2.ファーストダンスをあなたと

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:箱入りお嬢様と庶民な俺のやりたい100のこと その1.恋人になりたい - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さてさて、前巻で恋人同士となったこの作品の主人公とヒロインである、勇輝と純奈であるが。一昔前のラブコメにおいては恋人同士となって完結、という事も多かったのでその先まで描かれるのは、時代が変わったのだな、と思うのはさておき。前巻の最後、無事に純奈の通う学園に入学できたことで、この作品はスタートラインに立つ事となった。スタートラインに立った、という事は動き出すのみ、それだけである。

 

 

 

「愛の二人三脚だな」

 

ひとまず貴煌帝学院に入学する事に成功し、さてそもそも勇輝に周りとの友情が築けるのか、という事であるが。心配する事もなく、意外とうまくいった。確かに庶民の出で純奈の彼氏と言う事で好奇の目で見られるも、結局はものを言うのは実力であり。その実力が周りに一目置かせるものであった事で、数日にして勇輝は周りに馴染むことに成功したのである。

 

そんな彼と純奈を中心として、友情の輪が成立するのには時間はかからぬ。

 

 

「だから、この伝説は欲しい」

 

そんな中、二人の元に舞い込んだのはこの学院の伝統であるダンスパーティ。基本的には無礼講、しかしファーストダンスだけは一年生の代表が形式ばって。そのファーストダンスを踊った男女は、永遠に結ばれると言うジンクスにあやかるために。急遽二人は、一年生の代表を目指していく事となる。

 

ダンス、それは純奈にとっては問題なし。しかし勿論勇輝にとっては未知のジャンル。千影もちょっと驚くほどの呑み込みの良さで、一先ずダンスを身に着け。学院の御曹司であるレオと、その幼馴染である由美の腐れ縁の幼馴染コンビと代表をかけて激突し。二人の力で代表を掴み取り、いよいよダンスの本番がやってくる。

 

 

だが、ここに面倒な波乱がもう一つ。それはレオに関わる問題、そちらの後継者争い。妨害工策により、音楽が流れぬというハプニングが巻き起こり。結果として妨害される形となる。

 

 

「伝説なら、これから二人で作りましょう」

 

 

その場を乗り切るのは何か、それは勇輝と純奈の奏でる力。だがそれは、最初を失うと言う事。それでもいい、関係ないと二人は躊躇いなくその機会を捨てて、挽回に捧げ。その先に待っていたのは、新たな伝説の始まりとなるかもしれぬ光景。最初がなくとも、特別な最後、という今だけの特別だったのだ。

 

世界が大きく広がる中、勇輝に纏わる秘密も仄めかされ始める今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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