読書感想:俺だけデイリーミッションがあるダンジョン生活2

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:俺だけデイリーミッションがあるダンジョン生活 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻でこの作品の登場人物は誰もがファンキーな一面を持っている、というのは語ったと思うが。今巻においてもその一面は変わらない。それどころか、英雄の周り、他の家族達も曲者揃い、というのが分かるのが今巻なのである。

 

 

 

「フッ、この街も変わらねえな(※一カ月ぶり)」

 

前巻、群馬クラス3ダンジョンが攻略され、世に恐れられる「厄災シリーズ」の一体であるシマエナガさんが仲間になり。年の瀬も迫る中、群馬に用事のなくなった英雄は一カ月ぶりに実家へ帰る事となる。

 

「指男」の事を尊敬しているらしい琴葉に雑にあしらわれたり。

 

「制裁の時が来ました」

 

有馬記念の観戦に出かけていた兄、真人を捕獲してベーリング海行きの漁船に叩き込んだり。

 

 

そんなまぁいつも通りの平和、な中。年越しを終え向かうのは、埼玉の辺境にある父親の実家。祖父母に温かく迎えられ、暇つぶしに知らない間に出来ていたショッピングモールに出かけた先。ダンジョン財団がマークしている要注意団体、「メタル柴犬クラブ」を追っていた餓鬼道と遭遇し。ショッピングモールの中でダンジョンが発生し、メタルな柴犬に苦戦する中。ダンジョンに突入した餓鬼道が、時間の乖離の可能性を口にする。

 

「箒で叩き返した」

 

その可能性、時間の乖離はすぐに英雄に襲い来る。「壁に金づちで穴をあけてくぐる」、というデイリーミッションをこなす為に祖父に相談してみれば、勧められたのは実家に五年前くらいにいきなり出現した、謎の蔵。その壁を壊している最中、蔵の最奥に封印されていた扉から、謎の手が出て来て祖父とスマホが引き込まれ。助けに行くために、英雄も穴の中に飛び込むことになり。

 

「もう経験値は食べたでしょ?」

 

そのダンジョンの中、間違いなく外の世界とは時間の流れが違い。約三十分のダンジョンの中での時間が、外の世界では一日。 さてここで問題である。デイリーミッション、どうなるか? 答えは簡単、約三十分毎にデイリーミッションが襲い掛かってくるのである。

 

「・・・・・・。 おじいちゃんのほうこそ、ソレどうしたの」

 

しかもそのダンジョン内部は、「メタル柴犬の会」の本拠地に繋がっていて。白熱した戦いの最中、デイリーミッションをこなすことになったら笑える勘違いを招いてしまったり。更には敵の手によりメタル化させられたおじいちゃんを助けることになったり。 やっぱりドタバタの中、ボスの部屋で出会ったのは、厄災シリーズ、その二体目。

 

 

そんな敵も、進化したスキルを乗せた指パッチンでぶっ飛ばし。また妙な仲間を増やして、二カ月ぶりに現実世界に帰還して。

 

「今回ばかりは、やつを殺してしまうかもしれません」

 

そしてやっぱりクズだった兄を、今度は闇の豪華客船に叩き込んで、修羅道と約束した初詣に行ったり。最後はちょっとのんびりしながら、また新たなダンジョンへ向かうのである。

 

 

よりファンキーでカオスな面白さが出ている今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

Amazon.co.jp: 俺だけデイリーミッションがあるダンジョン生活2 (ファンタジア文庫) : ムサシノ・F・エナガ, 天野 英: 本