読書感想:この最強美少女パーティは、雑用職の俺がいないとダメらしい

 

 さて、「馬鹿と天才は紙一重」と言うが、例えばバイオハザードシリーズを見ていると、「天才とマッドは同じ意味」、と言えるのではと思うのは私だけであろうか。そんなもうすぐ新作映画が公開される前置きはともかく。画面の前の読者の皆様は「縁の下の力持ち」という言葉を無論ご存じであろう。 それは大体、目立たないながらも絶対に必要な存在である。そんな存在が、最近ファンタジーを題材にしたラノベでは増えてきている気もする。

 

 

 

「仕方ない、仕事の時間だ」

 

 

魔物や冒険者といった存在が当たり前にあるとある異世界。かの世界で、今話題の三人組、「三妖精」と言う名のパーティがあった。大商会からの家出娘なパルメ(表紙中央)、「奇跡の聖女」の異名を持つリリス(表紙左)、天才魔導士なマリエール(表紙右)。彼女達のサポーターとして、パルメの父親から派遣された謎の青年、イサナ。彼の見守る前で彼女達は早速クエストを開始する。

 

 サポーター、それは文字通り非戦闘員。しかしパルメに退避するよう言われたイサナは、使い魔であるノワが案内するポイントにつき、可変銃を構える。彼は一体何者なのか。彼は「黒猫」の異名を取る元最強の暗殺者。所属ギルドの消滅後、パルメの父親にこっそり護衛を依頼され、新たな身分と言う条件でその依頼を受けていたのだ。

 

彼が手助けしなければいけないのか、無論その通りだ。パルメは自信家で猪突猛進、リリスはとある理由で死ににくいドМ、マリエールは魔力で酔って極大攻撃魔法をぶっ放す。天才、しかし問題児。そんな彼女達を影からサポートするのは中々に大変である。

 

だけど彼女達は止まらない。墓場でゾンビの群に突っ込み、更に消臭の為の華を求め大冒険し。振り回されつつもサポートする中、血生臭さを彼から感じたリリスに気に入られ、更にマリエールの魔力酔い解消の手伝いをする事ともなり。少しずつ彼女達との距離が近づいていく中、イサナが過去に背負った暗殺者時代の因縁が追ってきて。その因縁はパルメを攫わんと襲ってくるのだ。

 

「俺は今の生活が気に入ってるんだ。それを壊そうとする者は誰であろうと容赦しない」

 

そんな敵をも、片付ける為に力を尽くす。それは依頼のため、だけではない。彼女達と過ごす時間は割と気に入っているから。「明日」が楽しみになるこの世界を護るため、それを壊そうとするなら容赦はしない。解き放つのは、暗殺者時代の本領。一つの戦い方だけではない、万能性を持った彼の本気。

 

エロコメちっくに肌色トラブルもある中で、ドタバタが真っ直ぐな冒険を繰り広げる今作品。 真っ直ぐなコメディ系の作品を楽しみたい読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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