読書感想:はたらけ!おじさんの森 4

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:はたらけ!おじさんの森3 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻でランキング二位の島であるぶどう島との同盟が成立する事になった訳であるが、そもよく考えるとぶどう島は既にいくつかの島を同盟という形で傘下に置いている訳である。と、なるとどんな事になるのか。ここまでこの作品を読まれてきた読者様であれば心配する必要もないだろうが、それはおじさんが大量に追加されるという事である。おじさん濃度とでも呼ぶべきものが一気に濃度を増す訳である。

 

 

「さて! 第一回おじさん超会議です!!」

 

と、いう訳でぶどう島の同盟相手であった幾つかの島のおじさん達とも出会う事になる進達であったが、普通に考えてぶどう島とは相互理解が済んではいるも、他の島とはまだ繋がりが薄い。そこを解消し、相互理解を進めるために進が音頭を取り開いたのは、どこぞの超会議を思わせる空の下での大会議。一番お酒に合うおつまみは何か、というおじさん達にとっては永遠の命題である議題を投げかけ。即座に自分達のカードを晒すという方法でおじさん達を会議に巻き込み。議論をぶつけ合うと言う方法で、大人同士として仲良くなっていく。

 

「いやー、島リーダーとして明日夢さんに挨拶をしないといけないと思いましてね」

 

そんな大人達を余所に、子供達はどんどんと大きくなっていく。フラワー島に子供達だけでお泊りに行くことになり。おじさん達が寂しさと過保護のあまり暴走しそうになって、パンダに纏めて説教を受けたりする場面もありつつ、大人達の心配をよそに子供達は子供達でいつもとは違う自然を満喫する。けれど、ふとした瞬間に実感するのは自分達がどれだけ愛されているか、という実感と寂しさ。大人達が寂しいように。子供達もまた寂しいのは同じなのである。

 

寂しさを実感し、またいつもの日常に戻って元気に遊び回り。進や秋良達大人によって様々な事を教えられ、子供達はいつの間にか大きくなっていく。

 

「たとえそれがどちらだとしても、私達がこの世界でやるべきことは変わりませんからね」

 

しかし、その裏。進が明日夢に話すのは、この世界への疑問。そもそもこの世界とは何なのか。この世界におけるわかもの、とは何なのか。おじきち達との初遭遇、そして彼等の言。そこから仮説として導き出されたのは、文字通り盤面を、世界をひっくり返すようなもの。

 

その違和感は、何かの波乱を齎すのか。今日も癒される平和な日々に、何かを呼び込む引き金となるのか。

 

シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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