読書感想:魔法史に載らない偉人2 ~無益な研究だと魔法省を解雇されたため、新魔法の権利は独占だった~

 

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読書感想:魔法史に載らない偉人 ~無益な研究だと魔法省を解雇されたため、新魔法の権利は独占だった~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で新たな基幹魔法である歯車大系を生み出した事で、その魔法の特許を狙い狙われる事になってしまったアインであるが。彼の魔法が生み出す圧倒的な力、というのは前巻を読まれた読者様であればご存じであろう。だが、敵の方はどうやら彼の義娘であるシャノンにも隠された何かがある、というのを知っているらしい。これも前巻を読まれた読者様であればご存じのはず。今巻ではその一端が明かされていくのである。

 

 

前巻の騒動の後、アナスタシアがシャノンの友人に本格的になり、子供だけでピクニックにいく、というのをギーチェは教えられるも、研究にかまけてばかりのアインは教えられず、ショックを受けると言う一幕もあったり。そんな中、親ばかであるアインの行いが、シャノンに連絡が通じないと言う状況を判明させ。アナスタシアの父親であるアウグストも合流し、訪れたのは封印された地。そこにあったのは、前巻の黒幕である組織、「白樹」の工房。

 

「私はこれでも、ちょっとだけ魔法が得意だからね」

 

 本来ならば軍隊レベルの戦力が必要。しかし、この三人であればそこらの部隊に劣る筈もなく。あっさりと制圧、とはいかなかった。首魁として立ち塞がったのは意外な大物、そこに乱入してきたのも意外な人物。結果として戦いは決着つかずの物別れに終わり。だがしかしここからが本番とばかりに、アインを追放した所長であるジョージの魔の手が迫ってくるのである。

 

歯車大系の権利を譲れと恥を忍んで頭を下げても断られ、更には代わりとしてアインが進めていた研究を完成させようとしたら、暴走させた上にアインの力を頼ると言う更なる屈辱に見舞われ。 マナに関する問題の為、魔眼を再現する眼鏡を売り始めたアイン達の傍ら、ふとした小さな病原体事件で魔力を暴走させたシャノンに目をつけ。彼女を災害認定する事で、その権利を奪おうと攻めてくる。

 

「少しは父親らしくなったな、アイン」

 

「練習通りやれば大丈夫だ」

 

その認定を覆す為、対策と特訓に励む中。アインはシャノンの育成を通じてある種の真理に辿り着き。ギーチェに褒められると共に、若干の冷や汗を伴うツッコミをさせるような結論に行きついてしまうのであった。そして衆人環視の場、アウグストの目も借りて不正を暴き。ジョージに降格という烙印を刻んで叩き伏せていくのである。

 

秘密の一端も明かされる中、世界の骨太さが高まっていく今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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