読書感想:16年間魔法が使えず落ちこぼれだった俺が、科学者だった前世を思い出して異世界無双2

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前巻感想はこちら↓

読書感想:16年間魔法が使えず落ちこぼれだった俺が、科学者だった前世を思い出して異世界無双 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻でこの作品の主人公であるロニーはとんでもない力を手に入れた訳であるが、それは突然渡されたにしては大きすぎる力であった。そんな力を渡されたとて、彼には簡単に使いこなす事は出来ず。そしてそんな力を持ってしまったからこそ、彼の元には新たな波乱の芽が持ち込まれるという事もあるかもしれない。そんな事を思われた事のある読者様もおられるのではないだろうか。そう思われた読者様、その想像は間違っていない。とびっきりの波乱が彼の元へとやってくるのが今巻なのである。

 

 

ダミアンが屋敷を離れて数日、ロニーはこれまで以上に研究に打ち込むかと思えば一転、だらだらと自堕落な日々を過ごしていた。何故そんな事になってしまったのか。それは彼が前巻で引き起こして見せたとんでもない力の跡が心の中に焼き付いてしまったから。力を制御できず、周りを傷つけてしまうのでは。そんな想像と、元科学者の身として科学的に説明のつかない力への恐怖が彼を尻込みさせてしまったのである。

 

「そう、依頼さ。てめえを殺したい誰かがいたんだな」

 

 状況打開と相談の為、セイリュウの元へと向かう中。彼の元へ訪れるのはスピンとバンナビ―と名乗る、仮面を被った二人組の暗殺者。不意打ちで重傷を負いながらも何とか逃げおおせたかと思ったのも束の間、彼の前に現れたのはまるで鏡写しかのような自分にそっくりな謎の男。再びの死線を乗り越えた彼に待っていたのは言われなき冤罪。家人を殺したと言う罪で彼は投獄されてしまったのである。

 

「俺の望みを言う。二度と、俺に関わるな」

 

彼の心の中によぎるは怒りと心配。何者かに投げ込まれた魔法の杖を片手に脱獄を果たし。父であるドーソンにヨハンの心配と絶縁を叩きつけ。自分の意志で出奔していくヨハン。

 

 身一つで放逐され、根無し草となってどうするのか。だが捨てる神あれば拾う神あり、か。偶々通りかかった行商人、ランタノにより王都まで連れていってもらう事に成功し。何とかダミアンの元へと身を寄せる事になった彼は「ローレン」と名のり、新しい生活を始める事になる。

 

貴族の子供達に魔法を教える仕事をする事になり。子供達に時に振り回され時に教えられ。新鮮な経験と出来事が彼を成長させ、新たな魔法を掴む鍵となっていく。

 

だがしかし、これもまた始まりに過ぎぬ。ようやく手元にカードが揃い始めたばかり、まだ無双には程遠い。果たしていつ、無双は為るのか。

 

その時が楽しみである。

 

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