読書感想:パワハラ聖女の幼馴染みと絶縁したら、何もかもが上手くいくようになって最強の冒険者になった5 ~ついでに優しくて可愛い嫁もたくさん出来た~

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:パワハラ聖女の幼馴染みと絶縁したら、何もかもが上手くいくようになって最強の冒険者になった4 ~ついでに優しくて可愛い嫁もたくさん出来た~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻を読まれた読者様はこうは思われたのではないだろうか。全ての魔物の母親であるフィーニスは、亜人の聖者たちを黒人形とする事で何を目論んでいるのか。考えてもみてほしい。黒人形を倒す術、というのは結果的に聖女とイグザを強化する事に他ならぬ。何故わざわざ敵に利するようなことを選ぶのか? その答えも今巻で出るので安心して欲しい。

 

 

そして画面の前の読者の皆様はあと二つ、こうは思われたのではないだろうか。姿の見えぬ「盾」の聖者は何処にいるのか。そして、前巻でフィーニスに痛手を負わされたエリュシオンはこれで退場なのか、と。無論そんな訳もないのである。

 

エルフ族の「弓」の聖者、カナンとイグザの激突が終了したころ、留守番を務める聖女達の元に復活したフィーニスが姿を現し、「盾」の聖者の行方を尋ねる。どうもその人物は彼女達の側に居るらしい。その答え、該当者は一人。エルマの付き人を務めていたポルコ、その本名はパング。ドワーフ族の亜人であり「盾」の聖者だったのである。

 

が、とりあえず神器も持たぬ彼に出来る事もなく。一先ずイグザ達は竜人族の里を襲う「槍」の聖者、アガルタの元へと向かい。激しい激突の末、何とかアガルタを浄化することに成功する。

 

「―――私ね、”赤ちゃん”が欲しいの・・・・・・」

 

 しかしその裏、五人の女神の元を巡りその力を奪い取っていたフィーニスが、仲間達と合流したイグザの元へ姿を現し。ポルコを黒人形へと変え、去っていく。その目的は、自身が母親となる事。その願いを果たす為、敢えてイグザ達を強化し、イグザを神に仕立て上げようとしていたのである。

 

その目的に気付かぬままに、黒人形化を克服したボレイオスと激突の先に勝利を掴み。だが女神の神殿に挨拶に向かった事でようやく、女神達の危機に気付き。テラの神殿を訪ね、フィーニスと対峙するも女神全てを取り込んだ彼女は姿を消し。シヴァの心当たりである聖者たちの会合現場へと急行する。

 

「―――なるほど。これが神の力か」

 

 では巻き起こるのはフィーニスとの戦いか。否、ここで更なるどんでん返しが起きる。隙を伺っていたエリュシオンが一瞬の隙を突き神の力を全て奪い。一転して女神たちは消滅の危機に瀕してしまう。

 

が、しかし。まるでそこに垂らされた蜘蛛の糸が如く女神達に刻まれる鳳凰紋章。今、救えるのはイグザしかいない。救うため、そして願いを叶える為。イグザは女神達とも契りを結ぶ。

 

ここに至り、事態は簡潔へと整理される。やるべきことは只一つ。神の力を得たエリュシオンの討伐。強大なれど、敵はそこのみ。なればもうやることは決まっている。

 

いよいよ決戦に向けて準備が整う今巻。シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

パワハラ聖女の幼馴染みと絶縁したら、何もかもが上手くいくようになって最強の冒険者になった 5 ~ついでに優しくて可愛い嫁もたくさん出来た~ (ダッシュエックス文庫) | くさもち, マッパニナッタ |本 | 通販 | Amazon