読書感想:俺だけレベルが上がる世界で悪徳領主になっていた IV

 

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読書感想:俺だけレベルが上がる世界で悪徳領主になっていた III - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻でようやく忌むべき国であるルナンは滅亡の時を迎え、エルヒンは自由を手に入れた訳であるが、自由になったと言う事はどういう事であろうか。簡単な事である。自由な代わりに、国は守ってはくれない。だからこそ、自分達の国を早急に作る必要がある。だが、それは簡単な話ではない。自ら王を名乗ってはいけない。それは僭称としかならない、故に民から認められ、求められる事で初めて王となれるのである。

 

 

その為に必要なのは、カリスマ性と成果。そして統治のために必要なのは、才に溢れる人材。その人材を確保する為に必要なのは、心をつかむ事。その一歩として民と軍を連れ元ブリジト王国ベルクタイン領へと移動したエルヒンは民心掌握に励んでいた。

 

 そんな彼の心を悩ます一つの問題。それはこの領地は山と海に囲まれているも、海の部分は無防備であるという事。しかも隣国は海軍に優れたルアランズ王国。軍隊の育成のためにはこの問題を何とかしなければいけない。その状況の中、エルヒンは新たな奇策を思いつく。

 

「このルアランズ王国の大艦隊を我われのものにできたらどうだろうか?」

 

それは、かの国の大艦隊を丸ごと頂いてしまおうというもの。折しも、かの国は今後継者争いに揺れ、しかもゲームの史実ではクーデターによる滅びがすぐそばまで迫っていたのである。

 

同盟使節として国に乗り込み、同盟が断られるのも予想の内。最初のクーデターは乗り切るも、第二のクーデターにより国は滅び。内乱により国が混乱に陥る中、僅かな仲間を伴いエルヒンは行動を開始する。

 

最後の王妃となった令嬢、セレナ(表紙右)を保護し。国の中で村を焼きだされた夫婦として振る舞いながら、現地で暴動を起こす為の準備を始め。流れ着いた村の人心を掌握し、周りの村を纏め。暴動から始まる革命と言う形で国を滅ぼし。他の国にかすめ取られる前に目的のものを手に入れ、さっさと離脱し。

 

そして、遂に時は訪れる。亡命貴族であるローネン公爵により樹立された南ルナン王国。そこへせまるナルヤ軍迎撃のために呼びつけられ。他国の援軍も集う中。公爵に恨みを抱くヘイナの手勢により反乱が巻き起こる。

 

 放っておけばヘイナも死に、南ルナンの土地も奪われる。だがそこへエルヒンは介入し、漁夫の利と言わんばかりに全てを掻っ攫っていく。

 

「当然それは民心だ」

 

彼の王道に、記憶喪失という形で同行していたフランは打ちのめされる。敗北感を覚え、いつか勝つと決意し故郷へ戻っていく。

 

そしてついに民に求められ、エルヒンは新たに国を立ち上げる。そう、ここから始まるのである。長き雌伏の時を超え、遂に国同士の戦いへと舞台は進むのである。

 

本当の意味で戦いが始まる、新しいステージに向かう今巻。

 

シリーズファンの皆様は是非。

 

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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