読書感想:黒鵜姉妹の異世界キャンプ飯1 ローストドラゴン×腹ペコ転生姉妹

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 さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。ファンタジー世界には様々な魔物が存在するのは往々にして常識であるが、その魔物達を食べてみたいと思われた事はあられるであろうか。例えばドラゴンの肉は高級食材であると語られる事の多い食材であるが、肉汁滴るとよく形容されるそんな肉を食べてみたいと思われた事はあられるであろうか。

 

 

あるかもしれないし、ないかもしれない。しかし、どんな読者様であってもこの作品を読まれる際は注意してほしい。特に真夜中にこの作品を読むことはお薦め出来ない。

 

 それは何故か。何故ならばこの作品がグルメを主題にした物語であり、読んでいるだけでお腹が減ってしまうかもしれぬからである。

 

ステータス、亜人、魔物に冒険者異世界モノとしてはテンプレ的な要素の存在するとある異世界

 

 その世界にある日、突如としてまるで彗星のように現れ冒険者となって早々、瞬く間に冒険者としてのランクを上げている少女達がいた。彼女達の名はクロウ、もとい黒鵜姉妹。姉の美味(表紙左)、妹の甘露(表紙右)の姉妹である。

 

貴族でもないのにファミリーネームを名乗り、それどころか瞬く間に功績を積み重ねていく事で注目を集めていく二人。

 

「うーん、今からヨダレが凄い事に!」

 

が、しかし。そもそも山で毒キノコを食べたというある意味しょうもない理由で転生してきた二人の頭の中にあるのは食への興味、まだ見ぬ食材を味わいたいと言う思いのみ。その思いのままに、今日もまた冒険を繰り広げているのである。

 

ある時は森を騒がせる地竜をぶった切ったかと思えば、焼き肉にしたりローストビーフにしたり。

 

またある時は、道中で手に入れた食材を伝説の世界樹の食材を使い燻製にし、ガツガツと食べつくしたり。

 

更にある時は、強大な魔物に襲われるエルフの住処へ救援へと向かい、エルフの畑を占拠した巨大花型の魔物の実を収穫したり。

 

「「さあ、待望のご飯タイムを始めましょうか」」

 

 例え世界に呪われたって、気にもしない。食への興味は止められない。惜しげもなくきちんと目利きした高級食材を用い、次々と絶品の料理を生み出し。周囲を巻き込みながら突き進んでいく。

 

その旅路はドタバタである、賑やかである。そしてどこでも、お腹の減るような絶品の料理に彩られている。

 

だからこそこの作品は、明るく楽しく、元気よく。笑顔と飯テロに溢れているのである。

 

お腹が減るような作品を読んでみたい読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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