読書感想:護衛のメソッド2 ―最大標的の少女と頂点の暗殺者―

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前巻感想はこちら↓

読書感想:護衛のメソッド ―最大標的の少女と頂点の暗殺者― - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、この巻の感想を書いていく前に、私は一つ残念な前置きをさせていただこうと思う。それはこの作品が今巻の後書きでも語られている通り、今巻で一旦の完結を迎えると言う事である。個人的な見解を述べさせてもらうならば残念な限り。もっとこの作品に溢れる日常と言うものを楽しみたかった次第である。では今巻では、一体どんな騒動が描かれていくのであろうか。

 

 

自信に隠された秘密を隠しながらも必死に生きる事を決めた灯理の護衛を成功させ、やっと念願の普通のスクールライフを掴もうとする道真、そして護衛チームの面々。

 

 が、しかし。平穏は長くは続かなかった。クライアントから提示された新たな任務。「瞬間移動」の異能を持つが故に裏世界の暴力団である「死屍会」から命を狙われる巨大企業の令嬢、静奈(表紙左)の護衛任務である。

 

彼女を狙い届けられた予告状。舞台となるのは丁度間近に迫った体育祭。刺客となるのは「死屍会」最強の暗殺者、「群青」。

 

やむを得ず彼女を狙う暗殺者の正体を探るために動かなくてはいけなくなる中、何故か道真の事をお兄様と呼び慕う静奈から、道真の身を賭けて体育祭での勝負を挑まれ。心にもやもやを抱え、結果的に灯理はその勝負へと巻き込まれる事になり。

 

 静奈や道真、灯理に静奈の親衛隊。それぞれの思いが揺れ、行方不明となっていた親衛隊の面々が凄惨な死体となって発見される中、体育祭の幕が上がる。だがその祭りが爆発と言う花で彩られる中、全てをひっくり返す衝撃の事実は明らかとなる。

 

その答えを語るのは敢えて避けよう。代わりにヒントを一つだけ。・・・「群青」とは一体誰の事だと思われるだろうか。何を以て「群青」と言うのか? そこから掘り下げてみてほしい。するときっとそこから真実の糸口に繋がる筈であるから。

 

そこに隠されていたのは「彼女」の思い。「彼女」と同じように鳥かごの中の鳥、然しそこからの解放を願う「彼女」の願い。

 

「―――承知した!」

 

そして、その願いは道真の願いと形を同じくする思い。だからこそ彼女の助けを求める切なる叫びは道真に届き。「彼女」を守る為の護衛としての。最強の力が躊躇いもなく解放されるのである。

 

前巻にも増して血生臭い、けれど何処か鈍く熱い。そんな面白さを、画面の前の読者の皆様も最後まで楽しんでみてほしい。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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