読書感想:『ショップ』スキルさえあれば、ダンジョン化した世界でも楽勝だ 2 ~迫害された少年の最強ざまぁライフ~

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前巻感想はこちら↓

読書感想:『ショップ』スキルさえあれば、ダンジョン化した世界でも楽勝だ ~迫害された少年の最強ざまぁライフ~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻を楽しまれた読者様は主人公の日呂の因縁の敵であり、憎むべきDQNにして外道、王坂は前巻の終盤で地獄送りにされたのはもうご存じであろう。しかし、この世界は依然ファンタジーの世界に浸食されつつあり、世界のダンジョン化は止まっておらず。そして、この状況でこそ人間の本性は容赦なく晒され。こんな世界で尚、日呂は生きていかなくてはならないのである。

 

だが、ファンタジー世界に浸食されダンジョン化が進む世界の中、民間人達も立ち止まってばかりではない。一部の人間達が徒党を組み、統率された集団となって、各地のダンジョンの攻略を始めていたのである。

 

 その集団の名は、「平和の使徒」。日呂の亡き父親の知り合いである元傭兵、大鷹に率いられた正義の為の武装集団である。

 

「僕は商売に命を懸けています。商品は僕の子供のようなものです。それを理不尽に奪おうというのなら、親として子供と一緒に心中する覚悟くらいありますよ」

 

そんな集団を見逃す日呂であるわけもない、何故なら大きな商売の好機であるから。変身薬で手に入れた新たな自分、ロシア人とのハーフである武器商人、円条ユーリ(表紙右上)となって接触、商売によって友誼を結ぶ日呂。

 

だが、そんな商人の存在はこの世界で見逃される訳もなく。日呂の元へ、慈善事業を営む会社の社長、グスタフが接触してくる。

 

さて、勘のいい読者様であればもうお気づきであろう。前述した通り、こんな世界になったからこそ人間の本性は晒される。そして、今巻の敵役であり抹殺すべき外道共こそが彼である。

 

大鷹のかつての後輩、彼が慈善事業の影で為していたのは人身売買。罪もなき子供達を誘拐し戦闘兵器へと洗脳、調教し売りつけると言う悪の所業。

 

それを見逃す事も出来た。商売相手となり得るから、と放置する事も出来た。

 

「ご主人にとって・・・・・・何の利益もない・・・・・・かもです」

 

だが、奴は使い魔であり家族であるソルを泣かせた。そしてソルの友達となってくれた少女、クークラを組織の殺し屋「クロネコ」(表紙手前)として利用し傷つけた。なればやる事は只一つ。殲滅、あるのみ。

 

「―――ざまあみろ」

 

最優先事項は戦闘兵器へと変えられた子供達の無傷での制圧。討つべき敵は只一人、グスタフのみ。

 

条件は難解、然し不可能はない。何故ならば、本気になった日呂と、何処か子供っぽいけれど良い大人達揃いのヒーロー達がいるからである。

 

ファンタジーと化していく世界で、新たな外道を悪即断。前巻から更に勧善懲悪の爽快感を深めた今巻。

 

前巻を楽しまれた読者様、気持ちの良いおっさん達が好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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