読書感想:【朗報】俺の許嫁になった地味子、家では可愛いしかない。2

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前巻感想はこちら↓

読書感想:【朗報】俺の許嫁になった地味子、家では可愛いしかない。 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、「許嫁」を越え「夫婦」、「家族」になっていくと前巻で私は語った。二人だけの世界を作り上げていくとも語った。だがしかし、現実はそうであっても簡単ではない。 何故なら、二人だけの世界を作り上げる事は出来ても世界は本当の意味で二人きりではない。生きていく上においては、必ず外の世界との関わり合いが必要である。

 

 そして、外の世界との関わり合いが生まれるならばどうなるのか。そこには必ず、何かしらの人間関係が生まれいずるものであるのだ。

 

遊一と結花、学校では何の関わりもない級友同士、家においては許嫁。そんな秘密の関係が始まり早数か月。季節は春も終わり、そろそろ夏。衣替えの季節となろう頃。

 

「―――静かに、したら?」

 

学校では友人と騒ぐ遊一に注意してきて。

 

「愛が凄いの! 遊くんのゆうな愛が大きすぎて、潰されちゃうってば!」

 

家では、同棲が始まってから更に大きくなった遊一の愛に悶絶する。

 

そんな二面性のある生活が続く中、遊一に接近する影が一つ。同じクラスのギャル、何かと遊一に距離が近く迫ってくる桃乃。

 

 その様子を見て、心穏やかでいられる訳もない結花であるのはここまで読まれた読者の皆様であれば、もうお分かりであろう。彼女の心に燃え上がるはヤキモチの炎。その炎のままに、結花は更なる大胆な行動を始めていく。

 

「私、絶対に・・・・・・遊くんのこと、一生大事にするからね? もう愛して愛して、やめてーって言うまで、放さないんだから!」

 

将来の義妹である那由から聞き出した遊一の過去。過去の苦しみも痛みも全部受け止め、その上で幸せにすると心強く宣言し。

 

ある時は変装してデートし、桃乃に遭遇すると言うハプニングを経ながらも順調にデートし。

 

またある時は、自宅で何故かファッションショーを開催し、童貞を殺すセーターのようなちょっと際どい服まで見せつけ。

 

そんな日々の中、遊一と結花の突撃自宅訪問を切っ掛けに、桃乃と二人との距離は少しずつ縮まり出し、二人は彼女の秘密を知っていく。

 

彼女がひた隠しにしていた、秘密の趣味。本当は何を思っていたのか、彼女が秘めていた本当の想い。

 

 形は違うけれど、同じ思いを、「好き」という感情は同じ。だからこそ、放っておくわけにはいかない。今度は一人ではなく二人で。夏祭りの場、桃乃を襲った突然の窮地に今度は二人で立ち向かっていく。

 

「結花がずーっと、そばにいるよ! だーかーら・・・・・・一緒に笑お?」

 

二人を取り巻く関係は少しずつ増えていく。けれど中心である二人の関係は変わらず、更に深まっていく。それぞれ孤独だった過去をもう思い出せなくなるほどに、一緒にいるのが当たり前になっていくように。楽しい日と笑顔を積み重ね、更に唯一無二になっていく。

 

だからこそ、この作品は尊い。それを緻密に、丁寧に描くからこそこの作品は唯一無二なのである。

 

前巻を楽しまれた読者様、やっぱりラブコメが好きな読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

【朗報】俺の許嫁になった地味子、家では可愛いしかない。2 (ファンタジア文庫) | 氷高 悠, たん旦 |本 | 通販 | Amazon