前巻感想はこちら↓
https://yuukimasiro.hatenablog.com/entry/2020/05/09/000545
さて、画面の前の読者の皆様。この表紙の彼女は一体誰かと聞かれる事に備えてあらかじめ話しておくと、彼女は北米のプロゲーマーであり、前巻の最後で登場した2Nこと奈月をも上回る最強のスナイパー、ルーラーである。世界最強のゲーマーであるシンタローと組んで更なる上を目指すべく、彼を狙うゲーマーであり、奈月の恋のライバルである。
だがしかし、彼女やシンタローが出場する全国大会は、それだけでは終わらない。
全国から集まった強敵達。そして韓国から来た、シンタローに憧れを抱く狂的なピエロ、ステラを始めとした世界クラスの猛者達。
だが、そんな中でもシンタロー達は負けはしない。ルーラーに遊びだと断じられたはずのそのチームは、誰にも見逃せぬ輝きを持つ台風の目となっていく。
「ベル子・・・・・・俺は、いや俺たちは、お前とずっと一緒だ」
ベル子にからもうとしていた問題を身体を張って解決し、誰にも注目されていなかった彼女が災厄のキルマシーンとなり。
『・・・・・・ありがとう、ジル』
かつてシンタローに救われたジルが、今度はシンタローの背を守り救う王となり、極限の死闘を演出し。
『私の幼馴染を、とれるもんならとってみなさいよ』
彼の事は譲らない、そう言わんばかりに奈月が限界を超えた先、極限の一発を叩き込み。
「・・・・・・ほんと、怪物」
「このバケモンが・・・・・・早く殺せよぉっ!!」
そして、そんな仲間達を率いるシンタローは容赦なくその力を発揮し、大会へ戦慄と共にその名を刻んて行く。「UnbreakaBull」、俺たちの前に立ち塞がるのなら容赦なく殺す、一人残らず。そう言わんばかりに、対峙した敵達に絶望を見せつけ、涙も出ぬ程に圧倒的に勝利する。
だが、そんな絶望の負けをねじ込まれた者達も、ルーラー達も。そしてシンタロー達も。このゲームの舞台においては、誰もが主人公であり、誰もが譲れぬ思いを持ち、真っ直ぐにゲームの場に臨んでいる一人の競技者なのだ。
だからこそ、今巻に溢れる熱量はまた本物なのだ。誰もが一瞬、一手ミスをしただけで命を取られる。だからこそ、熱い。ワクワクする。生死を賭けて地雷原を駆け抜けていくかのような、ひりつくような緊張感と爽快感。それがリアルな熱となってこれでもかと吹き付ける、だからこそ面白いのだ。
前巻を楽しまれた読者様、とにかく熱く燃えたい読者様は是非。きっと満足できるはずである。