読書感想:社畜、ダンジョンだらけの世界で固有スキル『強欲』を手に入れて最強のバランスブレーカーになる ~会社を辞めてのんびり暮らします~

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方はもしこの世界にダンジョンなるものが出現したら一攫千金を狙い命を賭けて探索する冒険者となるだろうか。それとも見向きもせず平穏な日常に耽溺するだろうかどちらだろうか。

 

この世界の何の変哲もない日本。しかしこの世界には数年前にダンジョンが発生していた。しかし数年も経てばダンジョンは日常へと変わり、ダンジョンを中心とする経済が出来、冒険者という職業が確立されるのはある意味自明の理であるのかもしれない。

 

この世界に、終電後にダンジョンにふらりと潜ってしまいまるで宝くじに当たるかのような偶然で、強力なスキルを手に入れてしまった男が一人。月給十二万円でこき使われているブラック企業社畜、ケータ(表紙中央)である。

 

偶然にもレッサーデビルを殺した事で得たスキル、その名は「強欲」。アイテムドロップ率もレアアイテムドロップ率も向上させ更には成長限界すらも取り払い様々なスキルを覚えられる、全冒険者垂涎の的と言っても過言ではない分かりやすいチートなスキル。

 

 

そんなスキルの詳細も知らぬまま、勢いでブラック企業を辞めて冒険者に転職した彼は目にする。危険なれど、運次第では実入りの大きい冒険者という仕事の内容を。

 

ダンジョンの中で拾った素材が金となり、月給の何倍もの収入を簡単に得る事が出来る。其れは正に、社畜にとっては黄金郷であり、理想郷のようなもの。

 

しかも更に幸運な事に、ケータはふとした出来事で助けた大企業の令嬢、すだれ(表紙左)と専属契約を結ぶこととなり、食と住の部分で強力な後ろ盾を得、更には白いレプラカーンというレアなモンスター、レナ(ケータ命名、表紙右)を仲間とし強力な相棒を得る。

 

そう、正に売り文句に偽りなしと言わんばかりの音速どころか爆速で一気に最強クラスへと成り上がっていくのがこの作品のストーリーだ。しかし、だからこそ爽快なのかもしれない、特に序章のブラック企業のあり様を見た後であれば。

 

社畜の悲しみが短いながらも溢れている序章があるからこそ、これまでの分も一気にと言わんばかりに報われていくケータの様子が爽快感と得も言われぬ高揚感を齎してくれる。つまりはそういう作品なのである。

 

夢と欲望に溢れたダンジョンを爆速で気ままに攻略する半分スローライフ。一気にさくさくと進めていくストレスフリーな展開。

 

そういう要素が好きな読者様には一種のローファンタジーとしてこの作品をお勧めしたい。

 

「チャンスは早めに飛びつかないと損だからな」

 

割り切りの良い、だけど大人の現実感に溢れた元社畜冒険者ライフを楽しめる筈である。

 

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