読書感想:痴漢されそうになっているS級美少女を助けたら隣の席の幼馴染だった2

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前巻の少し恥ずかしい感想はこちら↓

https://yuukimasiro.hatenablog.com/entry/2020/02/14/231107

 

さて、どうやらこの作品は発売されるなり人気を博し、話題となっているらしい。このブログで記事にさせていただいた者として嬉しい限りである(後方腕組みムーヴ)。ではそんなちょっとしたジャブ代わりの茶番はさておいて、今巻では何が描かれるのか。その答えは勿論、前巻にも増して切なくも甘酸っぱい恋模様である。

 

前巻の最後で登場した、諒の過去の三日だけの彼女、篠原美南。過去に三日だけの付き合いだったものの、何かあの日の恋の残滓を抱えているのか。美南は諒に静かに迫る。それに触発されたのか、諒の同級生であり過去にフラれた相手である静香もまた、諦めきれぬ恋の想いを諒にぶつけてくる。

 

 

 その様子を見てヤキモチを焼き、焦りを見せるのは我らがヒロイン、疎遠だった幼馴染の姫奈である。

 

もう一度彼に伝えたい想いがある、だけど気が付かぬ間に恋敵が何故か増えていく。だからこそ負けてられぬと、諒にぐいぐいと迫り、キスをしようと迫ったりしてみせる。

 

しかし諒は気付かない。いや、少しずつ気付いているのかもしれない。だが、この胸の中にある形を持たぬ漠然とした感情は言葉にしようと思っても出来はしない。そんな彼の心を揺らすのは、高校二年という時に少しずつぶち当たっていく進路の問題であり、美南や静香との距離感の問題であり、そして姫奈との差である。

 

進路を巡る相談と問題の中、明らかになる姫奈の夢。それはかつての頃からの目標だった、誰にも譲れない夢。

 

だけど自分は? この空っぽな自分には何がある?

 

かつて置いていったのをやり返されるかのように、今度は置いていかれるのではないだろうか。不安に駆られ立ち止まってしまう諒。

 

そんな彼に真っ直ぐに向き合い、正面から抱きしめ受け止めて見せるのは姫奈である。

 

「大丈夫。諒くんには、私がついてる」

 

主人公力が足りなくたってどうでもいい。だけどこの想いだけは譲れない。だから貴方も受け止める。私は貴方と一緒に進みたい。

 

それは真っ直ぐな祈りである、願いである。その思いこそが、立ち止まってしまっていた諒を先へと進ませる追い風へとなるのである。

 

ここにあるのは、等身大で感受性豊かな感情がぶつかり合う、今ここにしかない青春である。この一瞬を積み重ねて綴られる、切なくて痛くて甘い、瑞々しくて甘酸っぱくてこそばゆい、まごう事無き青春のラブコメなのである。

 

前巻を楽しまれた読者様は是非読んでみてほしい。

 

きっとまた、心を撃ち抜かれる筈である。

 

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