問:新選組と言えば?
答:ゴリラにマヨラーにドS(それは銀魂である)
さて画面の前の読者の皆様、上記のちょっとしたネタはさておき新選組と聞くとどんなイメージがあるだろうか。様々な二次元の媒体でネタにされた事で、変なイメージを抱いたりはしていないだろうか。
そんな貴方にこの作品を是非読んでみてもらいたい。ここに書かれているのが、ある意味本来の新選組の姿である。
近藤さんから土方さん(表紙左)、沖田さん(表紙右)に至るまで全員美少女。しかし彼女達が辿るのは、現実の歴史をなぞるかのように破滅と崩壊、死へと繋がる緋色の道。
その歴史を修正すべく奔走するのが、現代の世界からやってきて近藤の養子となった、死に戻りの力を手に入れた少年、周平(表紙中央)である。
だがしかし、死に戻りを得たとしてもそれ以外の力はなく、故にこそ彼は歴史の大河に投げ込まれた一匹の小魚に過ぎず。
一周目、彼女が目の前で撃たれ死ぬのを見届けるしかなかった。
二周目、彼女を置いて再び逝った、今度こそ彼女を救う為。
そう、彼の全ては只一人、怜悧な仮面に弱さを隠した一人の少女、土方を救う為に。
ただ一つ、己の誠を彼女の心へ届ける為に。彼女の矛となり最後まで共にある為に。
「私とともに生きよう。この京で。新選組で」
そう、この作品は只一人へと愛を届ける為に屍山血河を築き上げ、斬れば斬るほど移り変わる歴史の中を只一人を救う為、精一杯に駆け抜ける少年の物語であり、全力で自分に出来る事を為し、何度も間違えながらもそれでも進むことを止めない、熱さと苦さに溢れた骨太の読み応えがある、熱くて面白い物語なのである。
作者のファンである読者様、戦記系歴史ものが読みたい読者様にはお勧めしたい。きっと満足できるはずである。