読書感想:英雄女騎士に有能とバレた俺の美人ハーレム騎士団2 ガイカク・ヒクメの奇術騎士団

 

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読書感想:英雄女騎士に有能とバレた俺の美人ハーレム騎士団 ガイカク・ヒクメの奇術騎士団 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻でティストリアの手により「奇術騎士団」として召し抱えられたガイカクとその部下である奴隷という愉快な仲間達。違法魔術を使いながらも、きっちりと一線は守り全員を守り抜く彼。しかし忘れてはいけない。ガイカクの部下達、彼女達は全員訳あり、奴隷スタートであると言う事を。

 

 

つまり彼女達には奴隷になる前の人生が有り、奴隷になった事情がある訳で。そんな奴隷になる前の人生、故郷が関わってくるのが今巻なのである。

 

「もちろん、引っ越しの準備だ」

 

一先ずやるべきことは引っ越し。騎士団総本部近くに用意された拠点へ移動する前に、ソシエが街の声に優越感を覚えるという事もあったりする中。馴染みの奴隷商人から最後と言う事で売れ残った奴隷を引き取る中、ドワーフのベリンダ(表紙右下)たちを保護し。新たなメンバーも加え、早速新たな戦術の準備も始めていく。

 

「・・・・・・うへえ、マジですげえ手並みだ」

 

早速舞い込んできた、利き酒大会で仲の悪くなった二人の貴族の領地を脅かす盗賊団の討伐依頼。腕を見る為についていったベリンダの目の前で、ガイカクは密造酒を手土産に取り入りあっという間に盗賊団を捕らえ。さっさと事件を解決し貴族二人にも釘を刺したうえで事件を終わらせたその手並みに、ベリンダは舌を巻く。

 

さっさと終わらせた上でガイカクが始めた新たな実験。人工臓器を創り出して創り出すのはドワーフの為の新たな兵器。それは戦車。この世界において初めての兵器は、草原の村を脅かすケンタウロス討伐の任務で力を発揮し。戦車と言う疲れぬ馬の利点を生かし、ケンタウロスの鎮圧にも成功する。

 

「楽しい!」

 

その中でベリンダ達が知っていくのは、物づくりの楽しさ。今まで決して味わう事の出来なかった、ドワーフとしての本懐。それを叶えさせてくれるガイカクに本当の意味でついていく事を決める。

 

しかしその先、面倒な事態がやってくる。それはソシエ達エルフ関連。リザードマンたちによるエルフの領地への襲撃。族長の家が占拠され娘まで人質に取られたという状況への救援依頼。だが、自分達を捨てた故郷を助けに行きたくない、とエルフ達は声をあげる。

 

無論、それは当たり前の感情であろう。嫌なもんは嫌、仕方がない。だけど任務である以上、いくしかない。

 

「助けてから陥れろ!」

 

「お前たちが呪うべきやつら全員に、お前たちが味わった辛酸を五割増しで味わわせてやる」

 

ではどうすればいいのか。ここからがガイカクの腕、悪としての見せ所である。任務も果たして復讐も叶える、一挙両得を狙って。まずは綱渡りな作戦を成功させて恩を売って、その上で突き放して地獄に堕として。人心を誘導して、陰湿な仕返しへと方向性を向けさせていく。

 

更に仲間が増えハーレム密度も高まる中、よりスカッとしていく今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。