読書感想:ハイスクールハックアンドスラッシュ1

 

 さて、この世界のラノベにおいて多分一番多い、主人公達の年代と言うのは高校生くらいであろうと思うが画面の前の読者の皆様はどう思われるであろうか。最近は大学生ものや社会人ものも増えてきているが、やはりまだ数として多いのは高校生くらいの年代なのではないか。そして、ラノベの世界において高校と言うものが描かれると。時にその高校には裏の顔、があったりするのである。

 

 

例えば何かの養成機関であったり、地下に何かの施設が隠されていたり、そういう事が往々にしてあって。この作品における舞台である「豊葦原学園」も、隠されたものを持っている学園なのだ。

 

「一般の公募を行っていない、少しばかり変わった学校の推薦枠があるんだが―――」

 

その学園は一般公募を行っておらず。卒業生の推薦でのみ、入学可能である。内申点的には少し問題児、しかし一応は普通の分類。家庭内不和を抱えるくらいの事情もちな少年、叶馬も卒業生であった担任の推薦により、かの学園への入学を決める。

 

立山連峰のふもと、手つかずの自然の中に、何でもそろう学生街商店街と共に佇むかの学園。あらゆる無線が何故か通じない正に陸の孤島なそこは、ネットで検索しても出てこない。果たしてその学園には何が隠されているのか。

 

「いや。じっくり試している」

 

それは、この学園の地下には異世界、広大なダンジョンが広がっていると言う事。そしてこの学園の特色、それは同性愛を除いて性に非常に寛容である、という事。ダンジョンに潜れば何故か気が昂るのが常、そしてダンジョンが生活に根付いているこの学園を支配するのは、性と暴力。目を疑うようなある意味世紀末、正に実力主義な世界が広がっていたのだ。

 

そんなダンジョンに潜る為、ルームメイトの誠一と、彼が連れてきた麻衣(表紙右)と静香(表紙左)も入れて四人パーティを組んで。初めてのダンジョン、しかし、このダンジョンは人生を捨てて入る、死んでも記憶を無くして復活できる場所。故に尊厳を踏みにじられる事があるのも当たり前。彼以外の三人が殺され、謎のクリスタルを残して消える中。叶馬は三人分のクリスタルを回収し、謎の怪物を殺して手に入れた布を巻いて突き進んで結局生き延びて。ダンジョンの中で出会った精霊、スケッギョルドから布と引き換えにスキルを貰って帰還する。

 

そのスキルは、そして死んでいないと言う事実は、学園の上層部にとっても予想外。この学園に適合した事で花開いていくのは、叶馬の異質な部分。そんな部分に惹かれていていく静香。そしてぶつかり合う事で誠一とも分かり合い。本当のパーティとなって進んでいくのである。

 

元がR18だからかそこらで性行為しまくり、その中でダンジョン探索していくこの作品。エロッけのあるファンタジーを読んでみたい読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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