読書感想:追放された落ちこぼれ、辺境で生き抜いてSランク対魔師に成り上がる6

 

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読書感想:追放された落ちこぼれ、辺境で生き抜いてSランク対魔師に成り上がる5 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、いよいよこの作品は今巻で最終巻である。即ちどういう事であるか、と言うとであるが無論、画面の前の読者の皆様はお分かりであろう。つまりは最終決戦。黄昏を退ける為、七魔征皇と決着をつける巻なのである。

 

 

人類の裏切り者であったサイラス、だが彼は人類に絶望すると同時に、人間をまだ愛していた。彼が遺した情報、通称「サイラスレポート」。裏切り者であるが故に入手できたその情報の中には、七魔征皇の強者であるアウリールの情報、更には黄昏を魔法で無効化するという人類にとっては未知の情報が多分に含まれていたのである。

 

特別な力は何もいらぬ、魔法という形で行使できると分かったのならばやることは一つだけ。そう、侵攻作戦だ。黄昏の最奥へと乗り込み、決着をつけるために。急速に人類側の準備は整っていく。

 

それを余所に、ユリアは戦いの前に最後、束の間の日常に触れる。シェリーの発案により学校での日々を振り返ったり。エイラ先輩と一緒に、リアーヌ王女が作ったお菓子で腹を膨らませすぎたり。後ろ向きになるのではなく前向きに未来を見つめ、戦いの後を見つめ。未来への約束を果たし、いよいよ作戦は幕を開ける。

 

「きっとこれが―――最後の戦いになるでしょう」

 

待ち受けるのは、黄昏の発生装置にアルフレッド以外の七魔征皇を食わせたアウリール。背中をひりつかせる決戦の予感に、我が世の春とばかりに笑い。彼等の元へ、王女に送り出され、ユリア達は少数精鋭の決戦勢力で乗り込んでいく。

 

黄昏の最奥、そこで始まるのは最後の戦い。エイラが見守る中、べルティーナとアルフレッドが激突し。剛と柔、対極の極致がぶつかり合う。

 

その先、シェリーとユリアはアウリールとぶつかり合う。ユリアと同じ力を振るうアウリールは黄昏の始まり、発生装置の正体を語り。ユリアの先の力を振るう彼にユリアは追い詰められるも、リアーヌ王女から託されていた切り札が発動し、受け入れると言う彼の本質が目を覚ます。

 

「私はただ、私のまま生きてきた。それだけだ」

 

戦力は逆転した、ならば既に負ける道理はなし。最後の一撃をぶつけ合い、勝敗は決し。アウリールは心から満足したように笑い、最後まで反省する事もなく思い残すことはないと笑顔でとどめを刺され、消えていく。

 

その死により黄昏は解かれ、世界は青空を取り戻す。世界に平和が取り戻され、ユリアを英雄として世界は無限の可能性を手に入れる。

 

だが、この世界にもう英雄はいらない。ユリアもまた歩き出していく、何処に進むかも分からぬ未来へ。

 

最後まで一気に駆け抜けていく今巻。シリーズファンの皆様は是非。

 

最後まで貴方も満足できるはずである。

 

追放された落ちこぼれ、辺境で生き抜いてSランク対魔師に成り上がる 6 (HJ文庫 み 05-01-06) | 御子柴奈々, 岩本ゼロゴ |本 | 通販 | Amazon