読書感想:凶乱令嬢ニア・リストン4 病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録

 

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読書感想:凶乱令嬢ニア・リストン3 病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて前巻では達成されなかった表紙の鮮血ノルマが今巻では達成されている訳であるがそれはまぁ、ともかくとして。終わり良ければ総て良し、という訳ではないものの。ニアにとっての桃源郷、理想郷である闘技大会さえ実現すればそれは魔法映像としても魔晶板ビジネスとしてもビッグなチャンスであるのは間違いはない。それは前巻を読まれた読者様もご存じであろう。

 

 

しかしその為に必要な資金、それは十億クラムという天文学的なもの。そこに至る為には裏道でも、と思うかもしれない。しかしそれは今のニアの立場からすれば弱みとなり得る、故にそれは出来ぬ。ならばやるべきことは何か。こつこつ稼ぎつつチャンスをつかんでいくしかないのだ。

 

「まず頭を増やしましょう」

 

とりあえずまずするべきことは、商機となりそうな新たなアイデアを出すこと。後々とんでもない事件に繋がると語られる番組が生まれたりする中。それだけでは後々の投資、ならば今稼げるお金を、という事で。リノキスの冒険者としての売り込み兼目立ちすぎるニアが目立たない為、という方向性としてリノキスの弟子と偽って、ニアはリノキスと共に隣国であるヴァンドルージュへ出稼ぎへ行く事となる。

 

「実にいい。本気で殴っても壊れない相手じゃないか」

 

 

 さて、目立たないと言う事は制限が取っ払われるという事。ニアの実力を隠す必要がないという事。そんな状況になってしまえばどうなるのか。答えは簡単、「凶乱令嬢」の久しぶりのお目覚めという事である。

 

狩るべき魔獣は多岐に渡り、そんな魔獣達はニアにとってはまだまだ一体では食い足りぬ敵ばかり。しかし数を平らげれば欲も満たされる、という訳で。リノキスが倒したように偽装しながら、水を得た魚と言わんばかりにニアは嬉々として。通りすがりに襲ってきた魔獣から賞金首の魔獣まで、多種多様な魔物を拳と蹴りのみで片付けていく。

 

「―――最後の狩りは人か。たまにはこういうのも悪くない」

 

そんな行動を続けていれば、注目されるのも当たり前。それは良いものばかりではなく、リノキスを利用する為ニアを人質にしようと地元の貴族が悪の手を伸ばしてくる。が、しかし。そこいらの刺客と言う名の雑兵程度が相手であれば恐れる必要も無し。寧ろ鼻歌交じりにアジトに乗り込んで壊滅させるのくらい朝飯前である。

 

久しぶりのニアの大暴れが光る今巻。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。