読書感想:凶乱令嬢ニア・リストン3 病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録

 

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読書感想:凶乱令嬢ニア・リストン 2 病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻まで絵師を務められた磁石先生が体調不良により降板され、今巻から刀彼方先生に交代された訳であるが、画面の前の読者の皆様にとってどちらの絵の方がより見慣れた絵柄、となるのであろうか。と、いう話はともかく。華麗なる無双録、とはなっているけれどニアは割と無双できない、というのはそろそろ皆様もお気づきではないだろうか。

 

 

それは立場もあり、少女である自分の身体のせい、というのもある。しかしそれ以外にもある。その問題とは今の立場的には何よりも優先すべきもの、魔法映像と魔晶板である。こう言っては何だが、ニアには経営的な才能はない、といってもいいだろう。それもまた仕方のない事かもしれぬ。前世の知識は戦いばかり、どう考えても専門外だからである。

 

「のんびりできるのは今日まででしょうね」

 

 

しかし、広告塔としては働かなくてはいけぬ。自身が望む野望の実現の為にも。夏休み、広告塔としては休みなし。夏休みの最後の休みを確保する為、二週間の間にぎっちぎちに撮影予定を詰め込んで、更に予定を入れようとしてくるペンデリオをぶん殴りたい衝動に駆られながら。レリアの実家の領地を訪ね、魔法映像の新たな方向性を見出すもそのアイデアを取られたりしながら。何だかんだ、とニアは仕事をこなしていく。

 

さて、ここでであるが。ニアにとって、その野望を叶える為に必要な存在とは何であろうか? それは恐らく、共犯者、という事にならぬだろうか。しかもある程度権力があって、計画を丸投げできるくらいには頭脳明晰な人物が。そんな存在は、何処にいるのだろうか。

 

「五つ以上の利点がなくば考えるに値せんぞ」

 

その答えは意外と近くに。ヒルデの実父である国王、ヒュレンツ。ニアの稚拙なアイデアに国王として、開催する五つ以上の利点を出し。 人間が普通では一生かかっても手に入らない大金、十億クラムを用意すれば計画を乗っ取って仕切ってやるといい。その方向でいくことにしたニアは、バカンス中にも早速動き出す。

 

「私もう暴れる気まんまんなんだけど」

 

一先ずバカンス中、湖の底に見つけたダンジョンにリノキスと共に突入してみれど、期待外れで。がっかりしつつも、リノキスを修行も兼ねて冒険者として送り出し。知らぬ所で彼女が術の理を覚え、強くなっていく中。彼女は一人、十億稼ぐための考えを巡らせる。

 

どう考えても、難しい。 普通の方法では稼げない。なれば彼女はどんな手を打つのか。

 

望む凶乱に向けて道筋が立つ今巻。シリーズファンの皆様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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