前巻感想はこちら↓
読書感想:VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた7 - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、前巻で匡、ダガー、チュリリという淡雪の二個下の世代の後輩たちが参入し、よりカオス度を増していくライブオンの面々であるが。この三人の中、実はその在り方に矛盾があるライバーが一人、いるのでは? と思われた勘のいい読者様もおられるかもしれない。まぁその話は置いておいて、今は心の片隅にでも置いておいていただければ幸いである。
では、業の深い愛を持っているチュリリはさておき、淡雪と仲良くなれそうなのは誰か、と言えば。そう、ダガーであろう。今巻ではそんな彼女に焦点を当てていくのである。
「携帯用スト○○です」
バレンタイン特別企画、商品化のための試作品を作ることになりネコマやエーライ、ダガーと共に挑んだら、まさかのダガーがカカオ豆そのまま持って来たり。
「おーおー今日もライブオンは地獄ですねー」
何か倦怠感が抜けず、他のライバーの配信を覗きに行ったら、ちゃみと光がとんでもない事をしている現場に遭遇して、思わずいたたまれなくなってしまったり。
更にはましろとチュリリ、匡とワードウルフでコラボ配信をして卑猥なお題をぶつけてみたり、匡が友情に基づく勘で見事に答えを出して見せたりする中で。ダガーが淡雪から貰ったストゼロを飲む配信をしたら、天然すぎる素が見えてしまうと言う事故を起こしてしまい。元凶みたいなものとして、淡雪は相談に乗る事となる。
彼女の悩み、それは自分の「個性」。ただ、大好きだからと言う理由でライブオンに入った彼女に足りないもの、それは個性。 匡もチュリリも、いい意味で個性的である。しかし彼女はどうか、まだぼんやりとしていて、自分だけのものが見つかっていない。
「だってここは、貴方が憧れて、私が愛するライブオンなんですから!」
そんな彼女の悩みに向きあって、自分達では出来ぬ繋げ方、彼女だけの面白みを引き出してあげて。 全部まとめてライブオン、どんな思いも許容する。そんな淡雪もまた、気が付いているのだろうか。今まさに頼れる先輩、シオンに続く第二のママ枠になり始めていると言う事に。
そんな彼女を待つのは、最後に炸裂する彼女の問題。今まで見ていなかった矛盾した在り方が牙を剥く時、それを淡雪は助けることが出来るのか。問われるのは何なのであろうか。
より混沌とする中、様々な絆が見えてくる今巻。シリーズファンの皆様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
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