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読書感想:VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた4 - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、〇周年と言う言葉は数あれど、それを迎えられるか、というのは確かではない。それもまた当然の事であろう。日々を積み重ねていけばいつかは届くとしても、その日々を積み重ねられるかは分かったものではない。そしてVの人達をご覧になられている読者様であればご存じではないだろうか。我々が想像もつかないような問題やストレスに日々苛まれ、無事に日々を積み重ねる事は簡単なようで難しい、という事を。
だからこそ彼等、彼女達は日々頑張っている。だがそれが、その期待に応えるという事が重荷になっているのかもしれない。三期生の一周年を前に、そんな事実を示すのが今巻なのである。
聖様とシオンがカップル成立した事で、無事にまともなVtuberがいなくなってしまったライブオン。だが相対的にまともな者がツッコミをこなす事で何とか安定する中、近づいてくるのは三期生の一周年。大規模イベント開催に向けて、淡雪やましろ達がそれぞれ準備に励む中、今日もまたネット上もリアルも、大騒動が巻き起こる。
「仇のタマ取ってやったぞ!」
オールスターコラボの、監禁人狼と言う名の二つの人気ゲームを組み合わせたようなゲームで、ちゃみを吊ったらエーライが大暴走したり。
「ド〇ベンですらボールは守ってたんですから」
光とリアルでデートしてみたら、自由奔放でエネルギッシュな彼女にこれでもかと振り回されたり。
『私ね、エーライちゃんの女になったの!』
ちゃみとエーライがコラボしてみたら、なぜかちゃみが懐いてエーライが困惑したり。
新たな関係も生まれ時間が進む中。どんどんとお祭りの時間は近づいていく中で光が躓いてしまう。期待に応えようと頑張り過ぎた結果、自分の限界を超えて自分の身を壊してしまう。
「光ちゃん、やっと貴方の考えが私にも分かってきたかもしれません」
何故彼女はそこまで頑張るのか、その本質に迫り淡雪にも分かる理由。それは尊敬すべきもの、だが祭りは皆が揃っていなければ始まらない。同期で話し合い、躊躇いなく延期を選び。改めて自分達に出来る準備を進め、ライブの準備は整っていく。
だが、無論そんな感動的な展開ばかりではない。だってライブオンだからもの。期せずして淡雪が開いてしまった、光の新たな扉。それが新たなる笑いを生み出してくるのである。
その先に待っているのは、淡雪を呼ぼうとしている伝説の影。果たして伝説と事故の邂逅は何を生み出してしまうのか。
シリーズファンの皆様は是非。 きっと貴方も満足できるはずである。
VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた5 (ファンタジア文庫) | 七斗 七, 塩かずのこ |本 | 通販 | Amazon