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読書感想:竜王に拾われて魔法を極めた少年、追放を言い渡した家族の前でうっかり無双してしまう ~兄上たちが僕の仲間を攻撃するなら、徹底的にやり返します~ - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、聖竜王と敵対する冥竜王たるアルティナの保護下にあるカルは、現状どう考えても、注目されないわけがない。それは敵からも、味方からもである。 そして今、彼はアルスターと言う新たな名前を得、男爵位と領地として無人島を授かった訳であるが。一国一城の主となったからこそ、彼は貴族としての責務を背負う、という事に他ならぬ。
しかし画面の前の読者の皆様、心配はいらない。なんせこの作品は無双なのだから。故に心配する事もないのである。
海底王国に伝わるオケアノスの至宝を手に入れる為、海竜王との戦いに備える中で、兄であるレオンが家に伝わる魔剣、グラムを携えて再び襲来し。しかしカルの魔法によりあっさりと退けられ。島に戻って新たな移住者を迎えたり、ティルテュの魅了が騒ぎを起こしたり、新興の商会とつなぎを作ったり。領地の発展が、カルの魅力でどんどん人が集まってくる中、段々と準備は整っていく。
その裏、レオンが国外追放を命ぜられ、急遽ヴァルム家に迎えられた養女、セルビアの進言により海竜王討伐に全面的に協力するという事でその場は収まり。魔剣グラムがカルの手に渡り、ザファルが最前線に立たされると言う方向となり、海竜王との戦いは幕を開ける。
戦いの裏、アルティナとカルを狙うのはザファルと、聖竜王からの手先であるセルビア。その思惑を阻むのは、カルの軍門に下った冥竜達。そのカリスマを前に、最後にザファルは改心し。海竜王との戦いの中、カルの手に渡ったグラムは真の力を発揮し、一時的に呪いを解けるようになったアルティナも戦列に加わる。
一つの戦いが終わり、一先ずの方向性を見出して。その先、まず訪れるのはアルスター領の新たなる発展。様々な種族の子供たちも迎えて、魔法を教える為の学校が設立され。その学長となったカルは、新たな肩書を得て、新しい日常を始めるのである。
より爽快感溢れ、より真っ直ぐに突き進んでいく。そんな無双的な面白さが更に深まり、より真っ直ぐに何も考えずに楽しめていく今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。