前巻感想はこちら↓
読書感想:絶対に俺をひとり占めしたい6人のメインヒロイン season1. さて、誰から振ろうか? - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、今巻の感想を書いていく前に私は一つ、残念なお知らせをしなければならぬ。それは今巻でこの作品は完結を迎える、という事である。非常に残念である。一巻ずつ、一人一人深堀していってほしかった。という前置きはさておき、では今巻では駆け足ながら何を描いていくのか。
その答えはもう、言うまでもないだろう。駆け足で描いていきながらも、それぞれの思いを明かしていき。その果てに母親の思い、そして父親の思いも明かしていくのである。
「それでは、シーズン2のルール説明を始めます」
訪れるシーズン2。ここのルールは、シーズン中何度も訪れる二択で真一と同じ選択肢を選び続ける、というもの。選択肢を間違えれば脱落、最後の一人になった後で、真一とその一人が違う選択肢を選べば全員復活、その繰り返しの中で真一と同じ選択肢を選び続けろ、というもの。
そんなゲームを抱えながら始まるのは、無人島でのバカンス。砂浜でのスポーツや、無人島探索、更には水着でのバカンス。余人を交えぬ真一とヒロイン達だけの中、ヒロイン達は真一の選ぶ選択肢を操作し誘導しようと、時に水面下で協力し、時には騙し合いながら。彼に選ばれようと、ぐいぐいと迫ってくる。
「・・・・・・あげませんよ、絶対に」
「あたし、一生演じられる『役』が欲しかったんだ」
「愛してるよ、真一」
水面下で巡る、少女達の思惑。彼に向けられる、彼女達の本質。彼へと告げられる、大好きだと言う思い。
「・・・・・・あなたたち、そっくりだわ」
そして、義妹とフッた少女から明かされるのは、彼の父親の思い。今まで知ろうとしなかった、見もしなかった、誤解していたその本心。彼が何を思っていたのか、本当は真一の事をどう思っていたのか、という思い。
「その1人の名前を、これから呼ばせてください」
その思いを受け、彼女達から教えてもらった、大切なことを胸に。自分の中の臆病を超えて。真一は、最後に。大切な一人を選び取る。
「めちゃくちゃやばいやつじゃん、うちの母親・・・・・・」
だけど、それで終わりではない。一つの関係が結実して、新たな始まりが始まる。母親の遺した新たな試練が、真一たち二人を待っているのである。
最後は駆け足で纏めながら、彼女とのラブコメに収束させていく今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
Amazon.co.jp: 絶対に俺をひとり占めしたい6人のメインヒロイン season2.次に振られるのはキミだ (角川スニーカー文庫) : 石田 灯葉, 緋月 ひぐれ: 本