読書感想:お見合いしたくなかったので、無理難題な条件をつけたら同級生が来た件について7

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:お見合いしたくなかったので、無理難題な条件をつけたら同級生が来た件について6 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻でお互いの価値観もすり合わせて、お互いに絆をもう一度確かめ合って。既に婚約者を超え、家族という関係にどんどんと近くなっていっている由弦と愛理沙であるが。ここまで来てしまえばもう、誰にも入り込むことの出来ぬ絆を紡いでいる訳で。ここから何を描くのか。何処に続くのか。それはもう、結婚、そしてその先の人生であろう。愛し合ってその血を次代に繋ぐ、それくらいと言ってもいいかもしれない。

 

 

と、いう訳で先にお伝えさせていただくが、今作品は次巻を以て完結である。完結の時、それはきっと見惚れるほどの大団円となるであろう。ではそこに繋がっていく今巻では何を描くのか。

 

「これ、何回目だと思っているんだ?」

 

「まだ五回目です」

 

それは二度目の季節を迎える彼等の、去年とは違い更に深まった絆。そこから繰り出される甘々なのだ。

 

由弦の心からの告白が嬉しすぎて、愛理沙が何度もリピートを求めてしまったりしつつも、そんな日々も心地よくて。新しい年を前に二人の思いは更に深まっていく。

 

「楽しくない人、いますか?」

 

クリスマス、お泊り込みでデートに出かけて恋人同士として楽しんで。大晦日、偶には二人で料理なんかしてみたりして、のんびりと年越しを迎えて。

 

「お、お召し上がりください」

 

バレンタイン、愛理沙が一段と大胆な手を仕掛けて由弦の理性の弦が危うく焼き切れかけたり。

 

新たな季節が迫る中、更に思いは深まって。更に迎えようとしている季節の中、大学進学と言う節目に目を向けて、お互いの夢を語り合ったり。

 

「最後の確認だけど、大丈夫だよね?」

 

そんな二人が最後の一線を超えるのは、当然の帰結であったのだろう。もう我慢できない、お互いがお互いを求めている。ならば最早、止める理由も躊躇う理由もない。ならば超えていくのは、ごく当たり前の行動。夫婦と言う所にたどり着くために、最後に必要なピースであったのかもしれない。

 

最後に辿り着いた景色、その先に迎えるのは最後の一年。繰り返し語るが最早二人を阻むものはない。ならば、もし何か最後に見つめるものがあるとするなら。それは何を見ることになるのだろうか。

 

いずれにせよ何が待っているにせよ、いよいよ終わる。画面の前の読者の皆様も是非、最後まで見届けて欲しい次第である。

 

Amazon.co.jp: お見合いしたくなかったので、無理難題な条件をつけたら同級生が来た件について7 (角川スニーカー文庫) : 桜木桜, clear: 本