読書感想:ゾンビ世界で俺は最強だけど、この子には勝てない2

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:ゾンビ世界で俺は最強だけど、この子には勝てない - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、バイオハザードな世界でラブコメ、という中々類を見ないラブコメも二巻を迎えた訳であるが、前巻で言うまでもないが今までの社会規範は崩壊し、生き残る為には何でもしなければいけなくなった、というのは画面の前の読者の皆様もご存じであろう。そして、今巻ではこのバイオハザードの裏に隠された何者かの思惑にも焦点を当て、推測ながらも巨悪が見えてくるのである。

 

 

 

「私、思うんです。人口回復のために、いつかは子孫繁栄のことを考えなければならないと」

 

前巻、ゾンビウイルスに感染した舞が優真の体内の抗体を身体に取り込む事で何とか一命をとりとめ、しかし代償として六時間ごとのキスが必要となり。舞がどんどん優真を特別と言わんばかりに迫ってきて、晴夏が嫉妬でむくれて。そんな中、あゆみが優真と晴夏の体験談から、恐ろしい考察を口にする。

 

それは二人が襲われた時間のラグは三十分ほど、しかし二人の通っていた学校は十キロほど離れていると言う事実。どう考えても移動速度が速すぎる。つまりゾンビ発生源は一つではなく、何者かが同時多発的にこのバイオハザードを、テロとして引き起こしたと言うものだった。

 

その考察を追求する暇もなく、今日もまた生き延びていかなくてはいけない。生活のクオリティをあげるべく、ホームセンターに向かう中。そこで生き延びていた大学生、紗耶とまゆに出会い。危険もなさそうなので、保護して仲間にする事に決める。

 

しかし、それが一つの面倒事を招いてしまう。舞とのキスの場面を目撃した事で、紗耶が二人の仲を誤解してしまい、それを解く間もなく恋人同士のフリをする事となり。やはりそれは晴夏の嫉妬を招いてしまう。

 

「・・・・・・ゾンビ世界において、旧時代の常識は通用しないとは思いませんか?」

 

何とかイチャイチャしたり、嫉妬を浮かべる晴夏ともいちゃいちゃしたら、それも紗耶に目撃されてしまい更なる誤解を招き。状況が巡る中で、言い訳のように思いついたのは新時代の常識を創ると言う事。幸い、それを咎める者はいない。だからこそ、と求める中。探索の中で新たな強敵と遭遇する。

 

それは腕が鉤爪のように進化した特殊個体。追いきれぬほどの速度で行動し、川に落としても車に付着した体液を目印に追いかけてくる。更には頭を潰しても再生する、恐怖的な能力を持つ敵。一縷の可能性に賭け、優真の血液を武器に立ち向かう中。紗耶が負傷し、命を助けるために優真と同じ特異なゾンビとなる。

 

 

「―――赤ちゃんを作りませんか?」

 

それを目撃し、晴夏の思いはとうとう限界を迎え。一線を超えようとするその強い感情に、優真は押し流されていく。

 

 

事態の黒幕らしきものが推測される中、更にラブコメが駆けだす今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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