読書感想:妹が女騎士学園に入学したらなぜか救国の英雄になりました。ぼくが。3

 

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読書感想:妹が女騎士学園に入学したらなぜか救国の英雄になりました。ぼくが。2 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻であっという間に自分の領地を併呑し、更に反乱も一人で制圧してしまった我らが「兄さん」であるが。前巻で一行に加わった謎の少女、うにゅ子とは何者なのか。その正体を知る為に外国に行くのが今巻であり、国内を飛び越えて国外へ兄さんの偉業が浸透していくのが今巻なのである。

 

 

 

「しかもそういう閉鎖的な国ほど、昔の情報って残ってたりするのよね」

 

トーコによる調査が進むも、国内には手掛かりはなく。王国と国交のない国に調査に行ってみればどうか、というアドバイスを受けてアヤノに国内を任せ、うにゅ子も含めた五人で諸国外遊に出る事となる。

 

が、しかし。そろそろ画面の前の読者の皆様もご存じであろう。犬も歩けば棒に当たる、では兄さんが歩けばどうなるか。偉業に当たるのだ。トーコの思惑を飛び越えて、兄さんはどんどん偉業を成し遂げていくのである。

 

カナデの提案により最初に訪れた、全ての情報が集うと言われる「メイドの谷」。カナデの出身地であるそこで、凄腕暗殺者の卵でもあるメイド達を纏めて躾けて従える事となり。

 

ユズリハの願いでサクラギ公爵家の本領に里帰りしたら、秘湯に封印されていた伝説の邪蛇を討伐する事となり。

 

その邪蛇の中から出てきた二つに割れた謎の宝玉を直すため、トーコの聖教国訪問に付き添う事となって、トーコの姉であった聖女の病気を期せずして治療する事となり。聖女が修復した宝玉をうにゅ子が抱えてみれば、謎の光がまるで導くかのように何処かへと伸びる。

 

その光の先にあったのは何か。それは、伝説の種族であるエルフの隠れ里。そこで判明するのはうにゅ子がハイエルフという更に伝説の種族であり、実は宿敵である白髪の吸血鬼をその身に封印していた、という事。

 

しかし今、うにゅ子は小さくなってしまっている。つまりそれは封印が弱まってしまっていると言う事。そのままいけばどうなるのか。無論人類破滅エンド一直線。なればどうすればいいのか。簡単な事である。うにゅ子が封印している内に吸血鬼を討伐すればいい。だがうにゅ子だけは助けたい。と、いう訳でオリハルコンより創り出した破邪の剣と治癒魔法による乾坤一擲の作戦が幕を開ける。

 

「本当にイイ男は、言葉でなんて語りません。―――ただ背中で語るんです」

 

もはや言葉は要らぬ、ただ背中で語ればいい。言葉少なに納得させ向かう、宿敵との最終決戦。その結果がどうなるのかは、是非皆様の眼で見届けて欲しい。

 

更に無双が止まらない今巻、前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。