読書感想:妹が女騎士学園に入学したらなぜか救国の英雄になりました。ぼくが。2

 

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読書感想:妹が女騎士学園に入学したらなぜか救国の英雄になりました。ぼくが。 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、主人公ことスズハ兄、「兄さん」が余りにも強いお陰でストレスなく、ゆるりと楽しめる無双ファンタジーである今作品。前巻を読まれた読者様はこうは思われたのではないだろうか。彼はいつか、負ける時が来るのだろうか、と。その時は確かに来るのかもしれない。だがそれは今巻ではない、と示されるのが今巻なのである。

 

 

「言い忘れてたんだけど、スズハ兄の領地は現状、みんな敵国に占領されてるから」

 

前巻の最後、女王となったトーコにより授けられた、辺境伯としての領地。ユズリハにより一族丸ごと粛清されたその地に巣食うは、隣国であるウエンタス公国の兵たち。当然のようについてきたスズハとユズリハと話し合うも、籠城戦を行う敵の元に襲撃をかけるという選択肢は、庶民の心根を持つ兄さんには納得出来なくて。

 

「カナデのほんとうのご主人様、とうとう見つけた」

 

そんな彼の助けとなるのは新たな出会い、領主付きのメイドとして唯一残っていた少女、カナデ。実は兄さん暗殺の為に雇われた暗殺ギルドのエースである彼女は、兄さんの強さに感服しあっという間に忠誠を誓い。暗殺者としての技能を生かし、占領軍のトップを全員誘拐するという方法で事態はあっという間に解決される。

 

その事態と、更にはアマゾネス達からの最後通牒に、ウエンタス公国のトップであるアヤノの心は大いにかき乱され。彼の事を見極める為、番頭による手引きで彼女は雇われ文官として潜入する。

 

では彼女は何を見るのか。それは予想外、というより予想も出来る訳もない兄さんの圧倒的な力。更にはまるで、風が吹けば桶屋が儲かると言わんばかりに転がり込んでくる、幸運と爆弾であった。

 

占領軍を壊滅させ領地経営に励む矢先、領内のミスリル鉱山で隣国と繋がる不正取引を嗅ぎ付け。いつもの三人で言ってみれば、宿敵とも言える「彷徨える白髪吸血鬼」がミスリルを食らって強化された力で待ち受けていて。何とか勝利をもぎ取ったかと思えばちっこくなった白髪吸血鬼、としか言えぬ謎の生物が遺されており。引き離す事も出来ず保護したら、なんとオリハルコンの鉱脈が発見され。

 

トーコの策略により、兄さんの城で停戦協定の調印式が開かれる事となり。様々な策略の元送り込まれた各国の代表の前で、アマゾネス姉妹やスズハ、ユズリハの四人を相手取って完勝するという圧倒的な強さを見せつけて。

 

更にはウエンタス公国の愚鈍な領主が、協定を破って反旗を翻し。総勢百万もの大軍勢が領地に迫る。

 

「戦争開始だね」

 

が、しかし。そんな数を集めた所で、兄さんに敵う訳もない。規格外の大きさの大剣を携え、たった一人で軍勢の中心に飛び込み。大嵐のような剣技を巻き起こしながらも只一人も殺すことなく、圧倒的に完勝してしまうのだ。

 

「英雄譚も真っ青の大出世だな」

 

その果て、待っていたのは新たな褒美。結果的に領地が倍以上になると言う、更なる大出世だったのであった。

 

更に圧倒的に無双して、止まらなくなっていく今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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