読書感想:佐々木とピーちゃん6 宇宙の彼方より、未確認飛行物体、来襲! ~人類終了のお知らせ、伝えに訪れた地球外生命体は、どうやら地雷のようです~

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:佐々木とピーちゃん5 裏切り、謀略、クーデター!異世界では王家の跡目争いが大決着 ~現代は待望の日常回、ただし、ハードモードの模様~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、魔法から異能力、更には異世界からデスゲームまで。これまでありとあらゆる要素が佐々木の周りに集い、ジャンルが闇鍋の如く大渋滞をしている今作品であるが。画面の前の読者の皆様はこうは思われてはいないだろうか。もう現実世界で出せる要素、あらかた回収してはいないか、と。しかしその想像は甘かったのかもしれない。表紙の通り、今巻でやってくるのはSF。文字通り宇宙からの来訪者である。

 

 

「どうせ今回もまた、お主らの行楽先からやってきたんじゃないの?」

 

「いえ、今回ばかりは違うと思います」

 

前巻まで異世界で繰り広げていた大争乱が一つの解決を迎え、一度死んだ身であるピーちゃんがいる以上、あまり干渉はしたくなくて。しかし異世界が、エルザの側室入り問題等の問題を残したりしつつも、佐々木に落ち着く時間はない。突如として宇宙空間に出現したUFOとしか呼べぬ未確認飛行物体。その調査を命じられたのである。

 

が、しかし。彼等にとってもさすがに今回の事は予想外であり、そもそも宇宙とSFは門外漢。最近お疲れ気味な二人静の提案もあり、一先ずはアマチュア無線のやり方で適当なやり方で交信してみるだけに留め、手出しできぬからこそマイペースに任務に向かおうとする。

 

が、しかし。それが逆に良かったのか悪かったのか。結果的に交信に成功してしまい、各国の交信に成功した者達と同様にUFOによって拉致されてしまう。

 

転送された先で出会ったのは十二式(表紙上)と名乗るアンドロイド。地球へと渡りきた中で感情を知ってしまった彼女は、佐々木達に「家族」というものの定義を求め、星崎さんの反応の中から、寂しいと言う自身の感情の答えを見つけ。だが二人静の余計な提案のせいで、佐々木達以外のグループの本心を知ってしまい、人類を滅ぼす事を決め、彼等を地球に送り返す。

 

 が、しかし。ゆるやかに、しかし苛烈に侵攻を開始した十二式は、真っ直ぐに向き合ってくれた彼等の事を忘れることは出来なかった。彼等を追い地球に降り、お隣さんと遭遇し関わり合ったりする中。異能力者による星崎さんの拉致事件をきっかけに、彼女を取り戻すために佐々木達と共同戦線に挑む事となる。

 

「家族関係と家庭ノ営みを求める」

 

共に戦い過ごす中で知る、寂しさを埋める存在。その答えである「家族」という形を十二式は求め。まさかの疑似家族モノとしてのストーリーラインまで幕を開けていくのだ。

 

更にごった煮感が増し、更に闇鍋になっていく今巻。シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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