前巻感想はこちら↓
読書感想:佐々木とピーちゃん 2 異世界の魔法で現代の異能バトルを無双していたら、魔法少女に喧嘩を売られました ~まさかデスゲームにも参戦するのですか?~ - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、前巻で(恐らく)ラノベ史上癖の強いヒロイントップ10にランクインしかねないヒロイン、お隣さんが天使と悪魔のデスゲームに巻き込まれ力を得てしまった訳であるが、果たして画面の前の読者の皆様は、彼女と佐々木の道が交わらぬと本気でお思いであろうか。無論答えは否である。まるで厄介事に愛される事こそが彼の天運であると言わんばかりに、彼の元へと当然、デスゲームの気配は忍び寄ってくるのである。
前巻で二人静を味方につけ、本格的に異世界での商売を始める事になり。今までの個人的な行動ではなく、まるで商会のように大規模に商品を仕入れながらも異世界での取引の準備を進めていく佐々木。
・・・そのまま準備が進んでいれば、もしかすると順風満帆な未来もあったのかもしれない。しかし、既に彼は方々に注目を振りまいており。そう簡単にいくわけがないのである。
異世界では王の後継者の跡目争いが本格的に始まり、貴族として国境の緩衝地帯の何もない地を運営することになり。更には権力争いに巻き込まれ、両親に迷惑をかけまいと命を捨てる洗濯をしたエルザを救い、現代世界の方で匿う事になり。
現代世界の方では、魔法少女による野良の異能力者襲撃事件の解決に向かったかと思えば、突如としてデスゲームの中に取り込まれ、アバドンと邂逅を果たしたかと思えば、窮地に陥っていたお隣さんを助ける事になり。
いずれも薄氷の上、そう言わんばかりの厄介事の中を駆け抜けていく佐々木。が、しかし。最悪の厄介事はすぐ側に秘められていた。その元凶こそが何を隠そう、ピーちゃんである。
エルザを匿う拠点の情報が、お酒に酔ったピーちゃんのせいでライブ配信の誤爆と言う形で世間に露呈してしまい、否応なく言葉を話す文鳥と言う存在が注目を集め。
「この世界は課長が考えている以上に、多様性に富んでいるのですよ」
疑いの目を向けてくる阿久津を、彼の隠した秘密をちらつかせ何とか誤魔化す方向へもっていき。
「こうなったら一人残らず、局に連れて帰るわ!」
「異能力者は逃がさない。絶対に殺す」
「貴方たち、いきなりやってきて失礼じゃないの!」
「おじさんは私のモノです。誰にも渡しません」
だが彼の知らぬ間に、拠点に今まで関わってきた少女達が集結し。彼の気が付かぬ間に、拠点を舞台に戦闘の幕が上がっていこうとする。
とうとう各界が本格的に交わり、ぶつかり合いを始める今巻。一体この先、何が始まってしまうのか。
この先こそが、もしかすると本当の始まりなのかもしれない。