読書感想:新米錬金術師の店舗経営03 お金がない?

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:新米錬金術師の店舗経営02 商売をしよう - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、この作品の主人公であるサラサは何だかんだと毎巻、何かしらの戦いに巻き込まれている訳であるが、それはまぁ仕方ないとして。画面の前の読者の皆様はこうは思われたことは無いであろうか。魔法剣士といった感じの彼女は、果たして魔法の方はどこまで使えるのだろうか、と。

 

 

その気になる点に焦点を当て。更にはサラサの友人でもあり仲間でもあるアイリスに焦点を当てていくのが今巻なのである。

 

商売対決も一段落、そうなると何をしなければならないか。それ即ちレベルアップである。それもまた当然の事である。錬金術師としてのレベルが上がれば、それだけより多くのものを作れて生活の糧につなげられるのだから。

 

高級な蜂蜜を取りに行ったアイリス達が、そのままでは毒な蜂蜜を舐めてしまって全員まとめてトイレとお友達になったり。そのまま若干窶れてしまった彼女達と稽古したりと賑やかな日々を過ごしながらも制作に励む中。村長代理であるエリンの依頼により、サラサたちは一巻で起きた魔物達の狂乱の原因探しへと赴くことになる。

 

魔物達が元居た場所、火山地帯で目撃したのは「サラマンダーモドキ」とも呼ばれる「溶岩トカゲ」という魔物。臨時収入にするため、何匹か狩りながらもその奥に何やら本命の強敵の気配を感じ取り。恙なく調査を終え、サラサたちは村へと戻る。

 

 だがしかし、次の波乱は意外と早めにやってきた。お店を訪ねてきたアイリスの父、アデルバートとケイトの母親であるカテリーナ。彼等の話から、実はアイリスが多大な借金を抱えた騎士爵の家の娘であり、借金の一括返済を急に求められた事で、アイリスが政略結婚の危機にあると言う事が判明する。

 

「なんとかならないでも・・・ないですよ?」

 

何やらきな臭さを感じ、聞き出してみれば、そもそも政略結婚の相手は詐欺師である事が判明し、更には裏の黒幕として領主の影も見え。その状況から、どう覆せばいいのか。

 

その方法は只一つ。錬金術師と採集者が揃っているならば単純な話。大物を狩ってしまえばいい、その相手はすぐそばにいる。こうして今度はアデルバートとカテリーナをお供に加え再び火山へと赴き。予見された強敵であるサラマンダーを前にして、サラサの全力の魔法が吼え猛る。

 

が、しかし。それでも最良の結果は得られずに。結果として借金は返したものの、債権者がサラサに変わると言う事態になってしまい。

 

「簡単なことよ。アイリスと店長さんが結婚すれば良いのよ」

 

その問題の全てを一挙に解決する方法、アイリスとサラサの結婚(※この世界では上流階級や神殿では珍しくない)という方法をケイトが示し。アイリスもまたその気になった事で、また新たな悩みがサラサには出来るのである。

 

ここにきてガルコメの色も加えてくる今巻、シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

新米錬金術師の店舗経営03 お金がない? (ファンタジア文庫) | いつきみずほ, ふーみ |本 | 通販 | Amazon