読書感想:新米錬金術師の店舗経営04 ちょっと困った訪問者

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:新米錬金術師の店舗経営03 お金がない? - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻でアイリスがサラサに唐突に告白しガルコメ、らしきものが始まった訳であるが、その根底にあるのは打算めいたものである、と言うのは先にお伝えしておきたい。錬金術であれば女同士でも子供が作れるこの世界、特に問題がないと言う前提の元に考えてみると、中々の高給取りであり且つ高等教育も受けているサラサは、結構な有望株である。それこそそこらの男よりは。しかし現状、特に何かが変わるわけでもなく。けれどサラサは友愛の意味でアイリスが大切、というのは変わらぬのである。

 

 

「店長殿に選んでもらえるよう、花嫁修業を頑張るとしよう。期待していてくれ!」

 

告白はせど、とりあえずアイリス、ひいては彼女の家がサラサに借金があるのは変わりなく。まずはその借金を返す為に頑張るのは変わりなく。結果的に何も変わらぬ日々の中、レオノーラからの紹介を受けたとある人物がやってくる。その名はノルド。魔物の研究者であり現在はサラマンダーを研究している者。かつてのサラマンダーの住処を調べるべく護衛を依頼され。アイリスとケイトは高報酬に惹かれ、護衛として向かう事を決意する。

 

 店がある為についていくわけにもいかぬサラサは代替案として錬金生物(読み:ホムンクルス)である「クルミ」(表紙中央)を用意し。様々な錬成具を持たせ彼女達を送り出す。しかしやはり、面倒事は待ち受けているものなのか。サラマンダーの巣でノルドが行った実験によりサラマンダーが復活し。更にはひょんな事から洞窟が崩落し、彼女達は洞窟に閉じ込められてしまうのである。

 

魔力が切れた時が命取り、しかし彼女達が向かった先は前回は訪れなかったサラマンダーの住処から続く洞窟の中。どこが脱出口であるかも分からぬ、まさに詰みかけの状況。

 

「正解です、アイリスさん」

 

しかしそんな状況でサラサが動かぬ訳はない。クルミを通じて状況を把握し、アイリス達の荷物から錬成具を即興で創り出し。自身も様々な人に力を借りながら、森に野営しながら救出のために動いていく。

 

「それでもまったく足りないくらいには」

 

だがしかし、それはサラサが選んだ事ではあるけれど。貴重な素材を惜しげもなく使い、相場なども考えず強引に買い付ければどうなるか。答えは簡単、サラサもオフィーリア相手に借金をする事態になってしまったのである。

 

果たして閑古鳥が鳴きそうな冬が来る中、どうするのか。シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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