読書感想:オタク同僚と偽装結婚した結果、毎日がメッチャ楽しいんだけど!2

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前巻感想はこちら↓

読書感想:オタク同僚と偽装結婚した結果、毎日がメッチャ楽しいんだけど! - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻を読まれた読者様であれば、きっとこう思われた事であろう。・・・もう「偽装結婚」の「偽装」の部分を取っ払っても良いのではないか、寧ろ取れるのも時間の問題なのではないだろうかと。それもそうかもしれない。隆太と咲月の二人は偽装結婚カップルと言う関係でありながら、段々とという速度を追い越し爆速にも近い勢いで本物になりつつあるカップルである。そしてお互いを見てお互いの事を考えているからこそ、分かる事がある。

 

 

「そうですね。旅行サイトのほうも拝見しました。お邪魔するなら、失礼がないように、と思いまして」

 

今までは会社の顔しか知らなかった、でも今は日常の顔だって知っている。そして実家への帰省で彼女が困っているのにも気づいている。だからこそ隆太は営業としてのスキルをこれでもかと生かし、徹底的なリサーチと営業としての話術で以て咲月の家族の心をあっという間につかみ、今まで何処か疎遠だった彼女と家族達の絆の仲立ちとなっていく。

 

「だから私たちって、結婚してるんですけど、結婚前提に付き合ってみませんか?」

 

 だからなのだろう。咲月にとってこんなにも居心地が良かったのは、彼と言う存在がこれでもかと大きくなったのは。だからこそ、惚れ直した。今まで見もしなかった家族を見せてくれた彼と。順番があべこべな提案をし、二人の関係はここから本当に向けて歩き出す。

 

お互いのスペースに対する遠慮を徐々にやめ、二人で模様替えや家の掃除に精を出したり、当たり前のように二人で食卓を囲んでご飯を食べたり。

 

正に新婚さんのようにお迎えをしたり、同じ時間を共有するために自転車を購入したり。

 

更には咲月のうっかりから会社にも二人の関係が露呈して受け入れられたり。どんどんと外堀が埋まっていく。お互いがお互いに向いていく事で、気持ちのすり合わせが進んでいく。

 

「長生きしてください。ただ一緒にいてください」

 

 そう、ここから始めよう、全てをと言わんばかりに。お互いへ抱く大切な願いを伝え合う。一つ一つの思いを繋いで例え明日がどんなに遠くても。この一日を積み重ね、百年続いていくようにと。

 

それこそが正に「夫婦」。二人で導き出した、二人だからこその形。そこへと辿り着いた。始まりは「ニセモノ」だったとしても、それは最早「本物」。その歩き方は、大人のように早く、子供のように遅く。

 

しかしそれこそがこの二人の形。例え人より歩みが遅くとも、始まりは違っていたとしても。歩みを重ね二人で歩いていくという唯一無二なのである。

 

正に溜息をつきたくなる、素直に二人の事を応援したくなる今巻。

 

前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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