読書感想:魔法少女さんだいめっ☆シリーズ

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銀河一の可愛さを目指すその光が導くは、自らの心を忌む眩き光。

 

このブログでも取り上げた今勢いに乗っている今月の新刊「結婚が前提のラブコメ」。その作者である栗ノ原草介先生のデビュー作であるのがこのシリーズである。

 

ではこの物語はどんな物語なのか?

この物語の主人公は二人、街を守る魔法少女を母親に持つ息子、ハル(三巻表紙、ただし変身中)。そして魔法少女への愛は誰よりも強い只の少女、満咲(一巻表紙)。

 

魔法少女の後継者となる事を拒むハル。そんな彼を余所に魔法少女の後継者へと立候補する満咲。

 

しかし、本編中でも語られているようにそのコスチュームの色が示す通りに、満咲には魔法少女としての素質が無い。

 

だけど、それでも。その逆境を努力と根性、何よりも愛で跳ね除けて悪魔の後継者、散華(二巻表紙)にも手を伸ばし、自分だけの魔法少女の道を切り開いていく。その様子は一巻、そして二巻で語られている。

 

それを受けての三巻、そこで展開されるのはハルの物語。誰よりも頑張る満咲を一番近くで見届けて、結局見捨てられなくて手を貸してしまう彼。

 

そう、彼も持っていたのである。運命を拒み背を向けて、だけどそれでも捨てられなかった。それこそがその心の中にあったもの、魔法少女への愛。

三巻で描かれるのはそんなお話。小さくて未熟だけど仄かに明るい魔法少女の光に導かれ、自らと向き合った少年が本当の意味で魔法少女となるお話だ。

 

結婚が前提のラブコメを楽しまれた読者様には是非、栗ノ原先生の原点にも触れていただきたい。結婚が前提のラブコメにも秘められた熱さの原点に触れられるはずである。