読書感想:陰キャの僕に罰ゲームで告白してきたはずのギャルが、どう見ても僕にベタ惚れです4

 

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読書感想:陰キャの僕に罰ゲームで告白してきたはずのギャルが、どう見ても僕にベタ惚れです3 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、実家公認RTAを爆速で駆け抜け、もはや二人だけの永遠か、と言わんばかりに既に恋人同士なんてものを通り越していると言わんばかりにラブラブである陽信と七海のコンビであるが、最初に設けられた期間である一カ月は既にもう終わろうとしている。無論、天の声というか高次的な視点で傍観者でいれる我ら読者からすれば、破局なんてあり得ないと信じられるし笑い飛ばせる。だが、本人達はお互いの秘密を知らないのである。だからこそどうしても不安になってしまう。

 

 

だが時は進むのは止まってはくれぬ。だからこそ審判の時は迫っている。七海が意外と純情なのが周りに露呈して来たり、高校生らしいお付き合いとは何か、と考えたりしながらも。記念日の前の土日、それがもしかすると最後のデートとなるかもしれぬ、デートが始まるのである。

 

 

「じゃあ、指切りでもしよっか?」

 

最初のデート、製菓を題材とした遊園地で、子供の事を考えたり、そのラブラブっぷりで喧嘩しているカップルの喧嘩を止めたり。最後はまた今度、そう信じているからこその約束を交わして。

 

「僕もそう思ってたよ。これからも・・・・・・七海とは一緒に居たいと思ってる」

 

二つ目のデート、二人ともに過去に行ったことのある動物園に出かけて、動物達と触れ合ったり、ひょんな事からおしどり夫婦である老夫婦と話し合ったり。未来、ずっと一緒に、それこそあの老夫婦のように、と思いを交わす。

 

 二度のデート、そこで見つめるのはこれまでの思い出と、これから先の見果てぬ未来。そして約束の時は来る。始まりの場所、ずっと言えなくていつも笑顔の裏に、隠していた気持ちと真実をお互いに告白する。

 

七海の隠し事、それはこの恋の始まりは罰ゲームであったという事。陽信の隠し事、それはその罰ゲームと言うのを知っていて、敢えてお返しする為にその話に乗ったという事。

 

「これからずっと、僕は七海さんと一緒にいたいです」

 

―――例え始まりが偽りだとしても、お互いに過ごした時間の楽しさは、育んだ想いは嘘なんかじゃない。だからこそ、例え始まりが偽りだとしても、もう関係ない。何故ならばお互いにもう愛し合っているから。本物の思いが、もう二人の間を結び付けているのだから。

 

正に比翼連理、二人だけの永遠の形。とーんと互いにおっこちきっている。だからこそ、改めて向き合い隠し事を無しにして。改めて本当の思いで、二人は恋人同士になるのである。

 

こうなることはもう分かっていただろう。でもだけど、だからこそ。結実される思いの甘さと尊さは、正しく極上なのである。

 

シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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