読書感想:陰キャの僕に罰ゲームで告白してきたはずのギャルが、どう見ても僕にベタ惚れです5

 

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読書感想:陰キャの僕に罰ゲームで告白してきたはずのギャルが、どう見ても僕にベタ惚れです4 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、とーんとおっこちきっている、本当に付き合っている訳でもなかったのに、いつの間にか比翼連理となっていた。そんなバカップル、否、もはやカップルを超え夫婦なのではないか、という域までに絆を深めている陽信と七海のカップルである。前巻までを読まれた読者様であれば、もはや気に病む事も、心配する事もなかったというのはお分かりであろう。始まりは偽りであったとしても、まるでぴったりと噛み合う様に絆を深めた二人に揺らぐ要素は無かったのだから。

 

 

嘘を乗り越え本物のカップルとなり。前巻までが第一部とするのならここからが第二部である。ラブコメとしては新たな始まりであり、本当の始まりともいえる今巻では何を描いていくのか。

 

「これからは本当の恋人同士として再スタートします」

 

それは確かに変わった、色々な意味での距離。偽物ではないからこそ、もう遠慮する必要のなくなった、恋人同士としてのソーシャルディスタンス。そして、各所への報告なのである。

 

それもまた、本当の意味で歩き始めるには必要な事と言えよう。言えずに隠していた思いがあり、言えずに騙していたと言う負い目がある。だからこそ、それを明かさねば進めないのである。

 

七海の為、学校中の男子を調べ上げ陽信に目を付けていた、七海の親友達。母親以外は気づいていなかった、七海の両親。何も知らされておらず、一番騙されていた陽信の両親。そして七海を巡って争った標津先輩。それぞれの元を二人で巡り、時に謝罪を受け、時に二人で謝罪し。禊を経て本当に付き合うために、巡っていく。

 

「そもそも男女交際の切っ掛けなんて・・・・・・なんでも良いと僕は思うんだ」

 

その謝罪を周りは快く受け入れてくれた。時に二人にくぎを刺し、時に何となく気づいていたと笑い。やっとこさ二人にとって障害はなくなり、恋人としての時間が幕を開ける。

 

「私も、愛してるよ」

 

否、先述したがもはやこの二人は夫婦のようなものである。親たちから、すぐにでも孫の顔が見れそうと生暖かく見守られている二人である。そんな二人が阻む壁がなくなったらどうなるか。好きを超えて愛を囁き合う、若夫婦へと変貌を遂げるのである。

 

初美や歩とその彼氏たちと、トリプルデートのような形でナイトプールに行ったり。期せずして結婚写真のような写真を撮る事になったり。

 

だが、絆をさらに強固にする二人の元に不穏の予感が忍び寄る。名前も書かれていない手紙、そこに隠れていたのは陽信や七海たちしか知らぬ筈の秘密を知っているという暗示。果たしてこの予感は、何を起こそうとするのか。心配する必要はないのかもしれないが。

 

更に絆深まり、本当の恋人同士としてリスタートする今巻。シリーズファンの皆様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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