読書感想:俺がラブコメ彼女を絶対に奪い取るまで。

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画面の前の読者の皆様、貴方はラブコメとして扱われる作品で主人公の近くにいる、イケメンでリア充だけど報われぬモブなキャラクターを見た事はあるだろうか? 主人公に準じる視点から見るとヘイトを集める人物として描写される事もある彼等。では彼等はどんな事を考えているんだろうか。

 

そんな彼等の一人として描かれるのがこの作品の主人公、和臣(表紙右)である。イケメンでリア充、自らを保ち引き上げる事を厭わぬも、惹かれた少女には好かれない。

 

そんな彼女達が好きだと和臣が思っているのはどこにでもいる平凡な男子、優太。そう、ラブコメもので一つのテンプレ的なキャラクター性の究極の形のような男子である。

 

自分の方がイケメンなのに。

 

自分の方が凄いのに。

 

自分の方が、自分の方が好きなのに。

 

例え彼女達に好きな人がいると仄めかされ、心折れそうになっても諦めず、平凡男子を煽る事も厭わない。本当の事には気付かずに。

 

そう・・・彼の中に渦巻いているのは浅ましいかもしれないが誰もが持っているかもしれない当たり前の感情。決して諦められない、例え自分が悪と扱われて偽善的に振る舞っても。例え取り戻したいのがちっぽけなプライドだったとしても。それが自分の勘違いかもしれないとも知らずいっそ滑稽なほどに迷走を繰り返したとしても。

 

そんな当たり前の感情を心に、正に勘違いから繰り広げられる迷走を繰り返す彼の姿を誰が笑えるのか。誰が蔑んで良いのか。寧ろ彼のことを応援したくなる読者様はどれほどおられるのか。

 

これは決して報われぬ、主人公になれぬ半端者が主人公に反逆の牙を突き立てんとする作品なのだ。人間の綺麗な部分だけではなく汚い部分も見せていく、だけど恋の思いは確かな作品なのだ。そして、勘違いに気付かぬ和臣がまるで道化のように踊り続ける、確かな喜劇なのだ。

 

だからこそ、画面の前の読者の皆様にはどうか確かめてもらいたい。

 

この作品は本当に、全てのラブコメを過去にしているのか。本当に新感覚のラブコメなのか。

 

全ての真実はこの作品の中にある。だからどうか、結論は自分の目で見て確かめてみてほしい次第である。

 

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