読書感想:美少女と距離を置く方法 1.クールな美少女に、俺のぼっちライフがおびやかされているんだが

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さて、突然ではあるが画面の前の読者の皆様。貴方は一人でいるほうが楽しい方であろうか。それとも楽しい事は誰かと共有する方が好きであろうか。

 

過去のとある出来事から誰かと関わる事を面倒と感じ、選択して孤高を貫く少年、蓮(表紙右)。彼はとある日の帰宅時、クールな同級生である理華(表紙左)が強引な告白を受け、迫られている現場に遭遇してしまう。

 

普通であれば放っといても良かった。普段ならば無視していた。でも何故か、その時に限って何の気紛れか彼女を助けてしまった。

 

訳の分からぬもやもやを抱えながらも、もう会う事は無いだろうと言わんばかりにその場を後にする蓮。

 

しかし、理華は今までに関わってきた者達と違い、お礼をしたいとやってきて、買ってきたものでいいと言ったはずなのに、手作りの弁当を持ってきて。

 

少し形は違うかもしれないけれど、恩返しも終わりこれで関りは終わる筈だった。しかし何の因果か、二人を取り巻く共通点が少しずつ、だが連鎖的に明かされ二人はその後も関りを続けていく。

 

今までは知らなかったけれど、実は家がご近所だったり。

 

行きつけの店が同じだったり。

 

お互い友人は少ないけれど、その数少ないお互いの友人が実は繋がりがあったり。

 

まるで何かに惹かれ合うかのように、もう運命の糸は絡まり合ったと言わんばかりに。何でもない日々を二人は重ねていく。

 

友人同士で集まって、勉強会をしたり。

 

家に招いて料理を作って貰ったり、やむを得ず家に立ち入って看病したり。

 

「・・・・・・友達じゃなくなったら、どうなってしまうんでしょう・・・・・・?」

 

そんな日々の中、蓮の不器用な優しさに惹かれていくも未だ無自覚の理華は、蓮の孤高の理由を知りたいとそっと迫り、明かされたその理由と蓮の心の傷にそっと寄り添い、今ここにいる私は友達だと迷わず告げる。

 

いつからだろうか、そんな彼女が隣にいるのは普通になっていたのは。彼女に惹かれ始めていたのは。

 

そんな彼の背中を仲間達は荒くも押し。蓮は仕組まれたデートの最後に、理華へとその想いを告げる。

 

「・・・・・・好きだ。恋人になってほしい」

 

「私も、楠葉さんが好きです。恋人になりましょう」

 

これは何でもない日常を一つずつ積み重ねていくラブコメである。そして、お互いがよく似ているからこそ分かりあえて繋がり合える、運命的に出会った二人が少しずつ惹かれ合い恋に落ちていく、尊いブコメなのである。

 

特別な日常も、ファンタジックな出来事も何一つないけれど。それでもよく練り上げられ積み重ねられているからこそ、この作品は面白い。

 

てぇてぇと叫びたい読者様、ド直球で王道なラブコメが好きな読者様にはお勧めしたい。きっと満足できるはずである。

 

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