炎上、という事態がある。何かが燃え上がる、という意味が基本である筈だが、画面の前の読者の皆様からすると、例えば配信者等、何かの発信活動を行っている人が、その発信媒体の中において、コメント欄のような所が荒れている、という事態を表す意味の方が強いかもしれない。しかし炎上、というのは誰にでも起こり得るものかもしれない。そう言う意味でも、炎上と言うのには気を付けなければならないだろう。私も発信内容には気を遣っているので。
さて、と言う訳でこの作品はどんな作品なのかと言うと、タイトルを見ていただきたい。 ・・・・・・見ていただけただろうか？ つまりはそういう事なのだ。
「けど見ちゃうんだよなぁ」
ネットの炎上ウォッチングが趣味の高校生、俊介。彼の最近の炎上系推し、それはVtuberである夜芽アコ（表紙左下）。外見は闇を感じて可愛いが、口を開けば失言に始まる態度の暴走、それをファンの者達も煽る方向性の者達が多いせいで今や地雷を超えた終末兵器、だがカルト的な人気を集めている彼女。
「――――――言った通り、私を守護ってね、俊介君」
ある日、彼女のチャンネルのスパチャが解禁されるも祝のスパチャもこず、いつも通りの炎上へ、そこで俊介は、気まぐれに240円のスパチャと共に俺が護るという意味の長文を送りつける。 ・・・・・・のだが、まさかこうなるとは。翌日声をかけて来たのは、クラスのクール系美少女、心恵（表紙右上）に呼び出され、いきなりの告白、更に相思相愛認定。何故かというと、彼女こそがアコの中身。何気ない発言を真に受けて、巻き込まれてしまったのだ。
「これも芸風だから気にしないよ」
勿論、俊介としては逃げたい。解消あるのみ。ではどうすればいいのか、と悩む間もなく家に誘われて、配信現場を見学させてもらう事に。そこで理解のある彼ムーヴをしたことでよりドツボに嵌っていく。
更に判明していくのは、心恵の母親である結衣子と父親である優人が推しの神絵師、「比翼連理」、アコのママである事。そして結衣子は心恵をもっとヤバくしたような性格と言う事。ヤバい家族のドツボにどんどん取り込まれていく中、不意に判明したのはアコと犬猿の仲であるVtuber、夢華の中の人が妹である翔華である事。驚きも束の間、とある動画からアコと夢華が引退を賭けてゲーム勝負をする事に。
「――――――配信中に配信者両方親フラくらってマジの説教されてる姿って、見たくない？」
さて、原因の一割くらいを作ったものとして、俊介はどうすべきか。考え付いたのは一つ、盤面をそもそもひっくり返してしまう事。夢華、アコ、両方の配信現場にそれぞれの母親を突入させ、公開説教の場へと落とし込んで。
「―――――でも、付き合ってるのは変わらないよね？」
一先ずその場は収め、自身の自爆ショーと言わんばかりに全てを告白し、たのだが。やっぱり心恵の気持ちは更に高まり、彼の身に巻き付くばかり。より逃げられなくなっていくのだ。
コメディ多めのラブコメ、思いっきり笑えるだろう笑いが溢れているこの作品。笑えるラブコメを読みたい方は是非。きっと貴方も満足できるはずである。
炎上してるVTuberを擁護したら、クラス1の美少女に告白された件 1 (オーバーラップ文庫) | わたり, いわさきたかし |本 | 通販 | Amazon
