読書感想:魔法少女スクワッド

 

 さて、画面の前の読者の皆様はスクワッド、と聞いてどんな連想をされるであろうか。例えばトライスクワッド、それはとある特撮ヒーローたちが組んでいたチームであり、スーサイド・スクワッドとなると悪人たちのチームなのであるが。チームと言うのは纏まりがあったり、無かったりする訳である。例えば前者のチームは纏まりがあるが、後者のチームは個性、我が強い者達の集まりであり纏まりなんて無いわけであるが。この作品におけるスクワッド、チームはどうなのであろうか。

 

 

ごく普通の少年、空白。突然であるが彼は、唐突に死を迎えた。

 

「だからってこんなエキセントリックな死に方誰も望んどらんわい!」

 

その方法とは、異界人の降臨に巻き込まれたという事。異界の存在、スルーズの降臨する場所に偶々居合わせてしまった事で、肉体が消し飛ばされてしまい。スルーズが責任取って肉体を修復するまでの間、彼?の魔法少女のマスコット的なもちもちの身体の主導権を借り受けることになったのだ。

 

「オレの命の使い時はオレが決める!」

 

戻ってきた屋上、そこにいたのは級友であり学校一の美少女にして問題児、火怜(表紙)。一先ず事情を説明し授業に戻ろうとする中、学校を襲った地震。それを起こしたのはスルーズが言った存在、別世界の住人、エテルネルが送り込んだ怪物、キャンサー。学校が地獄絵図に変わる中、火怜は狂暴な顔で戦いに行くことを宣言し。放っておけず力を求めた時、空白の体の中から出てきた光が指輪に変わり。それを装備した火怜はまるで魔法少女のような服を纏い、キャンサーを片付ける。

 

「この世界は―――既に敗北している」

 

だけどこの世界にはかつて魔法少女が存在していて、だがかつての戦いで魔法少女は壊滅し敗北している。だけど、勝ち目が薄いとしてもこの世界を破滅させるわけにはいかないから。スルーズと約束を交わし、この世界を護るための戦力、新たな魔法少女を探す。

 

その中、生き残りである先輩魔法少女、雪無と接触、優しいからこそ火怜たちを巻き込まないようにする雪無と激突し合い。更にはエテルネルの協力者であった生徒会長、笹に捕まったりしつつも、彼女をぶっ飛ばして仲間に加える。

 

「ったく、それがオマエの覚悟ってのなら、オレも遠慮はしないぜ?」

 

「上等・・・・・・!」

 

さて、ここまで書いてきて何となくお察しいただけたかと思うが彼女達は一枚岩ではない、そもそもそりも合わない。だけど、丁々発止なやり取りを繰り広げ戦場で漫才めいたやり取りをしながらも。時に泥臭く、時にド派手に。力を合わせ強敵へと挑んでいくのである。

 

そんな、どこかアメコミ染みた活躍が見られるこの作品。すちゃらかなノリで心を熱くしたい方は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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