読書感想:俺の幼馴染がデッッッッかくなりすぎた

 

 

 さて、きょぬー、もといきょにゅうというのは巨乳と書いたり虚乳と書いたりする訳であるが。画面の前の読者の皆様の中にも胸は大きい方が好きと言う方も正直、おられたりするだろう。胸は大きければ大きいほどいい、という方もおられたりするかもしれない。胸は大きくなりすぎると魔だったり超、という言葉が付いたりする訳であるが。画面の前の読者の皆様は胸はどれくらい大きい方がお好きであろうか。

 

 

さてところで、この作品の作者であられる折口良乃先生と言えば、画面の前の読者の皆様はどんな印象があられるであろうか。モン娘、が大好きという印象を持たれている方が多いかもしれない。モン娘たちが抱えている種族に基づいた、現実味のある悩み。それを解決していくのが十八番の流れであるかもしれない。そんな作者様が、今回は純粋人間ヒロインを描かれるのだが。やっぱり切実な悩みも付き物なのだ。

 

「その、なんていうか、ずいぶん変わったな?」

 

中学校までは水泳に打ち込んで、春。地元から少し離れた高校に進学した少年、トウジ。入学式の日、小学生ぶりに再会した幼馴染、りりさ(表紙)。しかし男友達のように接していた彼女の胸は、とてもデッッッッかくなっていた。Sカップという規格外のサイズまで。 しかし共に水泳を頑張ってきた幼馴染だからこそ分かる、姿勢の悪さ。今は猫背気味なそれを指摘する間もなく、後日。通学のための満員電車でりりさが痴漢されているのを目撃してしまい。はぐらかす犯人にキレそうになったら、りりさがおっぱいビンタをリアルに行いぶっ飛ばし。

 

「私のボディーガードになってほしいの!」

 

その後、お願いされたのはボディーガードになって欲しいと言うお願い。幼馴染として心配に思うからこそそのお願いを受け。まるで恋人のような距離感で一緒に居ることに。

 

共に居る中で分かるのは、胸がデカすぎてもいい、という訳ではないと言う事で。まず服がない、そして十キロ超を常に抱えているようなものだから骨や関節を痛める危険性があり、あと机に乗るサイズなのでノートも取れない。そして熱中していた水泳も、水着のサイズがないのと、胸が水の抵抗を受けすぎて進めず、断念してしまったという事。

 

そんな彼女を守る為に隣に居て。筋肉を鍛える為に共に筋トレしたり、トウジのバイト先である市民プールを貸し切りにして二人で泳いだり。

 

「・・・・・・だって、俺はボディガードだし」

 

その中でりりさに舞い込んできたのは母親の知人、信頼できる人からのモデルへのお誘い。メリットは多いも、トウジは何となく納得できず喧嘩になって。ぶつかり合って話したのは、心配と独占欲の混じった本心。それを受け入れ、方向性をすり合わせて。最後にはドタバタあっておっぱいビンタを食らうのである。

 

折口先生らしい現実的なお悩みと、勢いのよいドタバタが交錯する中に仄かなラブコメのあるこの作品。賑やかなラブコメを見てみたい読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

Amazon.co.jp: 俺の幼馴染がデッッッッかくなりすぎた (電撃文庫) : 折口 良乃, ろうか: 本