読書感想:学校一の美少女と親友同士の恋愛相談に乗っていたら、いつのまにか彼女が誰よりも近い存在になってた件2

 

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読書感想:学校一の美少女と親友同士の恋愛相談に乗っていたら、いつのまにか彼女が誰よりも近い存在になってた件 - 読樹庵

 

 さて、前巻で互いの親友同士である獅子と雫が付き合い始め、取り残された、と言う訳でもないけれどお互いフリーめいた状況になった涼真とアリサ。この二人、前巻をお読みの読者様であればもうご存じであろう。惹かれ合っている事くらいは。 と言う訳で恋愛相談は終わったので、今巻からは二人の関係性に焦点が当たっていくのである。

 

 

「他人行儀はやだ!」

 

と、まぁその前に過去からの刺客が現れる訳ではあるが。その名は紬。獅子と涼真、二人の幼馴染である彼女は、両親の海外出張で涼真の家に預けられる事になって、更には転校してきて。

 

「涼真は絶対、渡さないんだから!」

 

別れる前に、涼真をお嫁さんにするのはどちらかというネタで喧嘩した獅子とはまだ不仲、涼真とは幼馴染の気安さを以て。そんな彼女の出現に気が気ではないのは、勿論アリサである。涼真の事が好き、とはっきり言ってくる彼女に危機感を抱き、彼女もまた涼真へ対するアプローチを加速させる。

 

「世界で一番アリサを知っているわたしの目にケチをつけるの?」

 

「よく見つけてきてくれた。感謝する」

 

そんな中、アリサは涼真に惚れている、と呼び出して二人きりにしてきた雫は彼に真っ直ぐに告げてきて。更には家事代行の仕事の中でアリサの兄である静流に気に入られてあわや海外まで連れていかれそうになったり。

 

だけど、何処か涼真の心は頑な。今は未だ付き合う気はない、とはぐらかす。はぐらかしてそのままにして、紬が知らぬ間に抱えていた問題、心の闇に向き合って、解決しようと手を伸ばしていく。

 

一体、彼は何を抱えているのか? その答えの一端は、過去を知る者との邂逅により明かされる、それは衝撃的なもの。かつて涼真と仲の良かった双子姉妹がいたものの、彼が片方をストーキングして記憶喪失まで追い込んでしまった、という逆立ちしても事実とは信じられなさそうなもの。 だが涼真はそれを、事実と認める。

 

「私は涼真を信じてる!」

 

「アリサを好きでいること」

 

だけどアリサは。彼女はその事実を真っ直ぐに疑って見せ、毅然と反論を突き付ける。彼がそんなことするはずはない、事実と真実は違うのかもしれないと。その言葉が、彼の背を押し勇気を抱かせる。胸を張って好きと言う為、付き合う為に。自分で抱え込んだ罪と向き合い、償い切ってみせるということを。

 

果たして隠された過去、そこにある本当の真実とは何なのか。恋の成就に向けて準備を整える今巻、前巻を楽しまれた読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

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