読書感想:ギャルの自転車を直したら懐かれた1

 

 さて、時に画面の前の読者の皆様は自転車に日ごろから乗られているであろうか。大切にされている自転車はあられるだろうか。私は数年以上乗り続けている電動自転車がもはや相棒といって差し支えなく、もはやこれまで修理にかけてきた代金で購入代金を越えている気もするが。それはともかく、自転車が壊れたなら皆様はどうされるであろうか。まぁ多分、自転車屋に持っていかれる人が基本であると思うが。

 

 

それはともかく、この作品はどういうことかと言うとタイトルそのまんまである。しかし純愛である。そして意外な関係も絡みついてくるお話なのである。

 

「ねえね、ツイスタにあげていい?」

 

実家が工場でありモノ作りが大好き、という以外は基本的に陰キャのパーソナリティを持つ少年、康生。ある日帰り道で遭遇したのはクラスのカーストトップの一人であり、モデルも務めるギャル、星架(表紙)の自転車のチェーンが外れてしまった場面。幸い簡単な修理で終わり、感謝してきた星架と少しだけ帰り道を共にし。翌日彼女の友人のギャル達と昼食を共にし、それで関係は立ち消え、かと思いきや。

 

「これはストーカーとか盗撮じゃなくて」

 

「偶々」康生の家、工場の近くを通りかかった彼女が作業中の彼の姿を写真に収め。彼が作っていたものを色々紹介してもらい、お礼と言う事で共にご飯に行くことになり、二人の関係はゆるりと続き始める。

 

「・・・・・・今はそれでゆるす」

 

程なくして判明するのは、実は二人の過去に繋がりがあったという事。かつて病弱だった星架、入院中の彼女に自分が作ったフィギュアをあげた事があったという事。 過去が繋がり少しだけ気安くなり。まずはマイナスをゼロにするため、お友達から始める事に。

 

「大人しいからなんだよ?」

 

初恋をもう一度始める中、彼の作る作品に魅了され、彼自身の事ももっと好きになり。体育祭で突発的に出ることになった二人三脚、貶そうとしてくる同級生に本気で怒りをぶつけて。

 

「守らなくちゃって思えたんですよ」

 

そんな彼女に向ける思いは、まだ恋の彩はなく。だけど守りたいとは思えるくらいには、特別。 ナンパに絡まれていた彼女を守る為に勇気を出して立ち塞がって。 その姿に改めて惚れ込んだり。

 

そんな二人は、まずは星架の母親に面通し、更には康生の姉にも認識され。更にはクラスの仲間達にも関係を誤解されて。少しずつ気が付かぬ間に外堀が埋まり出していく中で。 二人の関係は少しずつ醸成され、恋がのんびりゆっくり、二人のペースで始まっていくのである。

 

そんな、こそばゆめな純愛を見てみたい読者様は是非。きっと貴方も満足できるはずである。

 

ギャルの自転車を直したら懐かれた 1 (オーバーラップ文庫) | 生姜寧也, SuperPig |本 | 通販 | Amazon