前巻感想はこちら↓
読書感想:無口な小日向さんは、なぜか俺の胸に頭突きする - 読樹庵 (hatenablog.com)
さて、前巻で無口な小日向さんこと、明日香と事情を抱えた主人公である智樹とのラブコメは始まった訳であるが。ネットにてこの作品の感想を探してみると、二巻に当たる部分では流血を覚悟している、という感想が散見される。それはどういう事なのか。無論それは、この作品がいきなりバイオレンスな方向に飛び出していく、という訳でもない。
ではどういう事なのか。それは、言葉がない代わりに明日香がぐいぐいと攻めてくると言う事。より早く、まるで侵略する事火のごとしとでも言うかのように。どんどんと距離を詰めてくるからこそ、正にキュンキュンと萌えで鼻血を吹き出してしまうかもしれない、という事なのだ。
「智樹。公共の場なんだからイチャイチャするのはほどほどにな」
ゴールデンウィーク、皆で遊びに行く計画を立て、相談の結果学生の財布にも優しい半ば公園じみた場所にいく事となり。その前哨戦となる買い出しの道中、明日香はつり革代わりに智樹の右腕に掴まるという高度なテクニックを披露し。景一から呆れ笑いで突っ込まれるほどに、周囲から生暖かい目で見られるほどに、いちゃいちゃしていく。
そんな中、智樹の元同級生とも遭遇すると言う一幕が有りながらも、肩車をしたりと中々に楽しみ。だけどその先に待っているのは、学生にとっては鬼門ともなる中間試験。静香からばらされたのは、明日香が集中力がなくて勉強が苦手と言う話。静香に頼まれた事もあり、彼としても明日香に悪い結果を取らせるわけにもいかず。いつもの仲間達と勉強会を開催したりして、明日香の勉強をサポートしていく。
だがそこで、かつての級友でもある綾香との会話の中で彼女の名前を下の名前で呼んだ事が嫉妬を招いてしまい。ちょっと仲がこんがらがったり、智樹の部屋のベッドが大破するというアクシデントが起きたりしつつ、何とか仲直りする事に成功する。
「え? マジでお泊まりが交換条件なの?」
が、しかし。仲の良さを取り戻した明日香は、更にアプローチを増してきた。勉強を頑張る対価に智樹が明日香の家に泊まる事を要求し。あれよあれよと言う間にお泊りが決まり、更にはベッドが新しくなった智樹の家にも明日香が泊まりに行く事となる。
「『鬱陶しいから離れてくれ』って言われるまでは一緒にいるよ。だから心配するな」
その中で見える、明日香の思い。その思いに智樹が返すのは、まるで父親のような感情。
しかし明日香の中、確かに想いは育っている。それはいつか、花開く時を待っているのだ。
更に甘さを増し実質恋人同士になっていく中、恋が加速する今巻。更なる甘さに萌え転がりたい読者様は是非。
きっと貴方も満足できるはずである。
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