読書感想:最強デスビームを撃てるサラリーマン、異世界を征く1 剣と魔法の世界を無敵のビームで無双する

 

 さて、画面の前の読者の皆様は「ビーム」と聞いて何を連想されるであろうか。ガンダムが自身の手持ち火器として使うライフルから放つのは大体ビームであり、ウルトラマンが独自のポーズから放つ光線技も広義的に言えば、ビームとなるであろう。様々な形のビームがあると思うが、ビームは基本的に破壊力を伴っているものであるが。実は様々な事に使える可能性があるのである。

 

 

といった前置きから察していただけたかと思うが、この作品はビーム、が主人公の武器である。しかもただ真っ直ぐ放つだけではなく、様々な効能を持ったビームで無双するお話なのである。

 

「異物が混ざっているのですが!?」

 

女神の手違いにより、雷に打たれて死んでしまった青年、海斗(表紙中央)。今まで親の言いなりになって歩いてきた人生ゆえに、打ち込める趣味も無し。彼へと、女神が提案したのは異世界への転移。上役の神への誤魔化し、という身もふたもない理由により半ば強引に条件を飲み。心理テストにより「収集」、「獣耳」、「光線」に関する力を得、異世界へと転移する。

 

 どう考えても異物な力であるビーム。だがそれは破壊力を持つ一撃必殺のものだけではなく、生活用途から飛行能力を付与するものまで正に自由自在。正しくこいつ一人でいいんじゃないか、という無双の力を持っていたのだ。

 

その力を手に彼が転移したのは、ごく王道的な異世界。魔王と人間が争ってたりするも、人間同士は争っておらず、人間の国で獣人差別はあるものの、概ね平和である異世界。転移して早々、魔物に追われていた少女、オルテア(表紙右)を助け、近くの王都に移動して早々、彼女の借金を肩代わりし信頼を掴み。彼女をナビゲート役として海斗は、冒険者として歩き出す。

 

時に収集欲を満たし、時には獣耳欲をオルテアの耳を撫でで満たしながらも、何処までも自由に宵越しの金は持たぬ生活をしながらも満喫する海斗。よりランクの高い依頼を受ける為、獣人族では珍しい実力者、フリーゼ(表紙左)も仲間に加え。正に両手に花、というより両手に耳な状況を楽しむ彼。彼が注目を集めるのに、さほど時間はかからなかった。

 

その注目はいいものもあり、悪いものもあり。国外で主に活躍する高ランク冒険者、ベリックと仲良くなったかと思えば、傲慢な高ランク冒険者、ブラドに絡まれ。洗脳された暗殺者を差し向けられそれを撃退した事で、波乱へ巻き込まれていく。

 

「地位も名誉も財産もいりません! 僕はいまの人生に心から満足してるんですから!」

 

立ち塞がるのは人間の中に潜んでいた魔族の思惑。だがそんな事は関係ない。この世界で掴んだ満足、生きる意味。それを守る為なら答えは一つ。デスビームによる殲滅一択、それに尽きるのだ。

 

真っ直ぐ王道な異世界転移無双ものであるこの作品。直球な面白さを楽しみたい読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

最強デスビームを撃てるサラリーマン、異世界を征く 1 剣と魔法の世界を無敵のビームで無双する (HJ文庫) | 猫又 ぬこ, カット |本 | 通販 | Amazon