読書感想:ある日、他人の秘密が見えるようになった俺の学園ラブコメ EP2:シスコン兄貴を倒してハッピーエンドを迎えます

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:ある日、他人の秘密が見えるようになった俺の学園ラブコメ EP1:イケメンに奪られた憧れの美少女をオトします - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、ステータスが見えるようになったことで、憧れの存在である沙彩の心に突き刺す輝きを見せ、ラブコメへの第一歩を始める事に成功したこの作品の主人公、灯であるが。ステータスが見える、それは人間関係を円滑に進め更には好みや弱みを掴む、という点においては強さを発揮するわけであるが。画面の前の読者の皆様は、この能力に明確な弱点があるというのはお分かりであろうか。

 

 

それは、「視界に入らなければステータスは見えない」という事。つまりは灯の趣味であるラジオ視聴の、電波の向こうにいるパーソナリティーのステータスまでは把握できないのである。ここの問題に立ち向かっていくのが、今巻なのである。

 

前巻の騒動を経て、沙彩とは一歩距離が縮まり。一緒に下校する仲となって暫くした後。沙彩の親代わりを務めた構成作家の仕事をする、沙彩の兄、直道に絡まれる事となる。

 

「どこが不純異性交遊なのよ! 私たちまだ手を繋いだりキスしたりしたこともないんだからっ」

 

沙彩が自爆して墓穴を掘ったりする中、これからも交流を続ける条件として課せられたのは、いつもリアタイ視聴しているラジオに、三回以内に「さわやかポンチ」としてお便りを採用されろというもの。レベルの高さ、そしてステータスが見えぬと言うアウェイの中、それでも挑む為に引き受ける。

 

そんな彼等を待っているのは様々なイベント。球技大会で沙彩との交流を賭けてテニス部のエースと対決するも、意外な性癖という弱点を手に入れて隙を突いたり。修学旅行となり、何故か灯にぐいぐいアプローチしてくる陽色を見て、沙彩が言い知れぬもやもやを抱いたり。

 

そんな中、灯は沙彩のアドバイスで勝機を見出す。それは博打の一手、けれど確かに勝機はある。確かにステータスは見えないかもしれない、だが自分には今まで磨き上げてきたスキルがある。外部から武器を得られないなら、自分の内部にある武器を組み合わせてしまえばいい。勝負をかけて、送り出したのは三つのネタ。その結果は・・・言うまでもないだろう。

 

「あれくらいなら、頼ってくれていいよ」

 

沙彩の苦手をカバーする事で、頼ってもいい存在という印象を得。また一歩、二人の距離は縮まっていくのである。

 

更にもどかしくも、一歩ずつ前進していく今巻。前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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