読書感想:純白と黄金2

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:純白と黄金 - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻を読まれた読者様はこの作品における「ヤンキー」という存在がとんでもなく常識外の存在であるというのはもうご理解いただけているであろう。もう新たな人種か何かなのかとツッコミたくなるような奴等が喧嘩すればどうなるのか。それは勿論、とんでもない事にしかならぬ。だが彼等の喧嘩には一定の秩序があり、それ故に一つの華がある、というのは前巻を読まれていればもうご存じであろう。

 

 

そんな奴等の命を燃やす輝きに惹きつけられるかのように。新たなヤンキー達はカチコミに訪れ、更にはヤンキー以外の者達まで惹きつけられていく。そして世界が広がっていくのが今巻なのである。

 

喧嘩と喧嘩の合間の小休止、アオイと共に猫丘区を飛び出し乗り込んだ秋葉原。「天下逆上」の一人である青火総合芸術高校の筆頭ヤンキー候補、リュウジのライブを目撃したり。更には目的であった愛怒流(アイドル)声優、ハルカのイベントに出向いたら襲撃事件に巻き込まれ。現場で意気投合したヤンキー、コウと共に迎撃したり。相も変わらず休暇なのにドタバタに巻き込まれるレンジ。

 

 だがしかし、新たな喧嘩はすぐそばまで迫っていた。息もつかせぬと言わんばかりにカチコミを行ってきたのは緑織農業高校の筆頭ヤンキー、カズマ(表紙左)。彼の力により強化された手下のヤンキー達の強さに実力不足を痛感し。そんな彼等へ、データを取ると言う条件の元で紫想学園のヤンキー、モンジュが手を差し伸べ。紫想学園にて、特訓の日々が始まる。

 

時に何故か黒淵高校に転校してきたハルカも交え女性陣が女子会を行ったり、レンジとアオイが地図が無い危険地域へお使いに出たりと賑やかに。だが、修行の裏で何者かの思惑が蠢く。それは猫丘区を支配するヤクザ、大人達の恨みによる報復の芽。

 

 そして迎えた喧嘩本番。ヤクザ達の手により囚われたハルカを助けるためにコウとレンジが駆け抜け、表では憧れの人との幻像との特訓を終え強くなったアオイも活躍する喧嘩が幕を開け、それぞれの思いがぶつかり合う。

 

この喧嘩の主役は誰か。かつての「天下逆上」の者達の譲れぬ思いか。それともレンジの、誰かのために開放する更なる本気か。

 

「あなたは、私の英雄だよ」

 

それとも、コウの愛する者の為に開放する限界を超えた力か。

 

否、誰もが主役。故に更に熱く眩しく、真っ直ぐに。更に熱量を増して面白さを増していくのが今巻なのである。

 

前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

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