読書感想:今日も生きててえらい!2 ~甘々完璧美少女と過ごす3LDK同棲生活~

 

前巻感想はこちら↓

読書感想:今日も生きててえらい! ~甘々完璧美少女と過ごす3LDK同棲生活~ - 読樹庵 (hatenablog.com)

 

 さて、前巻で冬季の側に居る為に春幸は努力を始め、二人は本当の意味で恋人同士となった訳であるが、今巻は冬季が頑張る巻である。ではなんのために頑張るのか。それ勿論、春幸と共に居る為である。

 

 

「どんなことも私たちのペースでゆっくり行きましょう。その方が二人で歩いているって感じがしますし」

 

「特別な関係」となって、同棲生活に更に甘い色が増し。しかし平穏に浸るのは許さぬとばかりに、春幸の後輩である少女、世良が彼女の事を見極めると宣言し。久しくいなかった自分に挑んでくる者に対し冬季は対抗心を燃やし、まずはお弁当対決を完璧に乗り切って見せる。

 

 だがしかし、冬季に挑んでくるのは彼女だけではない。冬季と同類の天才であり鉄人系生徒会長、秋元先輩が冬季を仲間に加えたいと押しかけ。彼女の挑発に乗る形で、近々に迫った球技大会で一番最後まで勝ち残っていた者の意思を通すと言う賭けが成立する事となる。

 

やるからには当然勝ちを狙う。秋元先輩にも、世良にも負けるわけにはいかない。春幸の友人である雅也にバスケを教わり、更に自分の技に磨きをかけ、仕上げていく。

 

そして迎える勝負の本番。自分一人で戦おうとする秋元先輩とは対照的に、皆の中心で纏め指示を出し、あくまでチームで戦おうとする冬季。それは先輩と言うどこか大切なものが壊れた「怪物」とは違い、まるで「只人」のように。

 

「私はハル君と普通に生きていけるのなら、持ち合わせた特別を全部捨てたっていい」

 

それは、自分の「特別」よりも大切なものが出来たから。かつての冬季なら賛同していただろう、だが今はしない。何よりも大切にしたい「普通」を知ったから。

 

「私が八雲さんなら、納得できる敗北がほしいと思いまして」

 

そして、同じ少年を愛した者として世良と向き合い、勝負をつける。完膚なきまでな、これ以上ないほどの敗北を叩き込む。いっそ手加減せずに全力で。

 

「もう一周、しませんか?」

 

「変化」したからこそ「成長」した。そんな冬季の春幸効果による成長が光る中、外からの新風で恋がより燃え上がり、甘さを増していく今巻。やはり純愛はよい、心の栄養になる。そんな事実を改めて教えてくれるのが今巻なのである。

 

だからこそこの作品は多くの人に読んで欲しい、私はそう思う。

 

前巻を楽しまれた読者様は是非。

 

きっと貴方も満足できるはずである。

 

今日も生きててえらい!2 ~甘々完璧美少女と過ごす3LDK同棲生活~ (電撃文庫) | 岸本 和葉, 阿月 唯 |本 | 通販 | Amazon